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3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
反則となってしまうショルダーチャージの悪い見本(第10節 仙台 vs 清水 の試合から)

 

  

昨日の記事で紹介した youtube の映像ファイルに収められている、2つめの映像についてのお話です。 


YouTube: 2012年 J1第10節 仙台vs清水 カルフィンヨンアピンの退場

  

ショルダーチャージは、あくまで自分がボールをキープする体勢を維持しながら、相手競技者の肩に自分の肩をぶつけてボールを奪うための方法で、唯一相手競技者にチャージする方法として認められています。

 

このショルダーチャージの方法を間違えている方が選手に限らず結構おられます。

 

間違えているというのは、要するに肩を使えば相手選手のどこをどんな押し方で押しても構わない(ファウルではない)と勘違いされているという意味です。

 

あくまで「原則としてショルダートゥーショルダー」つまり「肩対肩」でなければならず、肩で相手の背中に当たれば当然ファウルチャージになります。

 

また、仮に「肩対肩」で当たっても、そのチャージングのあと自分がボールキープする意識がなく、相手選手にプレーさせない、あるいは相手選手を跳ね飛ばすだけのショルダーによるチャージングであれば、やはりファウルチャージと判定される可能性が高くなります。(ボールを自分のものとするためのチャージングではないため。)

 

可能性が高くなると書いたのは、審判員でもこのショルダーチャージを正しく理解していない方が少なからずいらっしゃるような気がするためです。

 

自分の体重を肩に乗せていって、接触した相手選手と一緒に倒れていく選手を見かけたことがあると思いますが、そのやり方では反則になります。

 

Jリーガーでも主審に「今のは肩で当たりに行っている(のに、何でファウルを取られるの?)」というような抗議をしているシーンを偶に見かけます。

   

オリンピック日本代表監督も務められた山本昌邦さんは、ショルダーチャージについて、「相手より低く、腰からあてがわなければならない」とおっしゃっています。

 

相手選手に肩で当たってボールを奪ったあと自分のボールとする(コントロール下に置く)ためには、必然的にその体勢になるはずです。相手選手を肩で押しのけて、相手がいた位置もしくは相手が入ろうとした位置に自分の体をおさめる訳ですから。

 

逆説的な考え方をすれば、

ボールを奪うために相手とボールの間に自分の体を入れようとすれば、ボールをキープしている側の選手は、体を前傾させるなどして、相手選手を自分とボールの間に入れさせないようにします。(手や腕で相手を抑えると反則になってしまうので。)

このとき、必然的に肩どうしの激しい接触が起こります。

この肩どうしの激しい接触を、チャージした側(ボールを奪おうとしている側の)反則としてしまうと、相手競技者が相手選手のキープしているボールを奪う方法が限られてしまうので、この場合に限っては激しく相手競技者に当たっても反則にはならない/反則とは定義しない、

だから肩対肩のショルダーチャージが認められているのだと思います。

 

選手の皆さん、そのショルダーチャージは、ボールを自分のコントロール下に置くためのチャージングですか?

 

肩対肩で低い位置で当たることで相手選手をはね飛ばし、ボールを自分のものとする。これなら素晴らしいフィジカルコンタクトです。でも、相手をはね飛ばしたけれど、その瞬間ボールは自分のコントロール下にない、というのはサッカーではないですね。

 

話を映像の話に戻します。(映像の2つめのプレーです。)

 

ベガルタ仙台の18番(ウィルソン選手)を清水エスパルス(白のユニフォーム)の4番(カルフィン・ヨン・ア・ピン選手)が、肩から肘にかけての部分で押しているのですが、押している部分はウィルソン選手の背中です。

 

ですので、これでは正当なチャージングとは認められず、ファウルチャージもしくはプッシングと判断されます。(重心を下げて当たっていたのでもしウィルソン選手の肩に当たっていれば、反則にはならなかったように見受けられますが。)

 

押し方(肩の当たり方)は決して「無謀な(=イエローカード)」レベルではなく、「不用意な」レベルです。

 

ではなぜ佐藤隆治主審が2枚目のイエローカードを提示したかというと、それはそのファウルをすることで、ベガルタ仙台の大きなチャンスとなる芽を摘んだからです。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

反スポーツ的行為に対する警告

次の反則を行なった場合など、競技者が反スポーツ的行為で警告されなければならない状況は様々である。

(中略)
●戦術的な目的で、相手競技者に干渉する、または大きなチャンスとなる攻撃の芽を摘むファウルを犯す。
(後略)


 

カルフィン・ヨン・ア・ピン選手の隣に、もう1人清水の5番(岩下敬輔選手)がいたため、決定機を阻止(レッドカードの対象)したとは判断されず、大きなチャンスの芽を摘むファウル(反スポ)として警告されました。

 

昨日の記事でも紹介しましたが、Jリーグの公式記録でもそのようになっています。

http://www.j-league.or.jp/data/2/?league=j1&genre=suspension&c=shimizu

(第10節のカルフィン・ヨン・ア・ピン選手の欄の2つめのC1)

 

「無謀に」行なわれたファウルであれば、ラフプレーのC2と表記されていたはずです。  

  

佐藤隆治主審は「何かが起きる可能性がある」という予測のもと、しっかりとボールを追っており、正しいポジションからカルフィン・ヨン・ア・ピン選手の肩および腕によるチャージングが不正なものであると判定したようで、その判定は適正だと思います。さすがですね~。
 

 

最後に、この映像に関する内容については、松崎審判委員長がゲキサカの「第38回「ジャッジQ&A」」でコメントされていますので、そちらもご参考に。
 
 

日本全体、一斉にこの「ショルダーチャージの誤った認識」をしっかり修正しないことには、男子のW杯の優勝は望めないような気がしますが・・・。

 


 
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