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3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
W杯最終予選(2012.06.08 日本代表 vs ヨルダン代表)の公式記録ほか
 



YouTube: サッカー日本代表 日本×ヨルダン



   

ヨルダン戦の審判団は、韓国の審判団。

主審:キム・ドンジン氏
副審1:ジョン・ヘサン氏
副審2:ヤン・ビョンウン氏
第4の審判員:キム・デヨン氏 


主審のキム・ドンジン氏と、副審1のジョン・ヘサン氏は、ロンドンオリンピックの最終予選(バーレーン戦)でも担当だった方々。(過去記事 「祝ロンドンオリンピック出場決定」 参照。)

  

公式記録はこちら。

http://www.jfa.or.jp/national_team/match/2014fifawc_q/groupB/schedule_result/pdf/m04.pdf

 

いつもの通り、キム・ドンジン主審が提示したイエローカードを時系列で確認したいと思います。

 

前半24分24秒付近

ヨルダン代表の14番(アブダラー・ディーブ選手)が、左手で日本代表の18番(前田遼一選手)の右肩付近のシャツを露骨に引っ張って、前田選手を倒したシーン。

 

警告の理由は「反スポ」で、ファウルの内容も「ホールディング」なのですが、

 

「無謀に」ホールディングしたからなのか、前田選手が有利な位置を得ようとするのを阻止したと判断したのかが不明です。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

相手競技者を押さえる

手、腕、または体を用いて相手競技者の進行や動きを阻止することは、相手競技者を押さえることである。

(中略)

懲戒の罰則
●相手競技者を押さえて、相手競技者がボールを保持することを妨げる、または有利な位置を得ようとするのを阻止する競技者は反スポーツ的行為で警告されなければならない。
(中略)
●その他の相手競技者を押さえる状況では、懲戒の罰則を与えてはならない。
(後略)


 

ファウルがなければ、前田選手から最前線にいた本田選手もしくは右サイドから相手DFの裏に抜けだそうとしていた岡崎選手に「ラストパス」が繋がっていた可能性があり、前田選手が有利な位置を得ようとするのを阻止したと言えなくもない状況でした。ただ、相手DF陣は4人全員中央を絞った状態で日本の攻撃にじゅうぶん対応できる状況になっていました。
なので、露骨にシャツを掴んでいたことが、「無謀に」と判断されたのではないかなぁ、というのが私の見解です。


 

(2012.06.13 追記。ホールディングは「無謀に」行なって直接フリーキックとなる7項目には含まれていませんので、「前田選手が有利な位置を得ようとするのを阻止したため、警告となった」ということだと思います。見解を訂正させていただきます。Sora さん、ご指摘ありがとうございました。) 

 

前半25分50秒付近 

ヨルダン代表の14番(アブダラー・ディーブ選手)が、ヘディングでの競り合い時に日本代表の17番(長谷部誠選手)の顔面に肘を当てたシーン。

 

先日の記事 「西村主審がFC東京戦で清水に出した8枚のイエローカードの理由を考える(その2)」 にも書きましたが、ヘディング時の競り合いにおいて、ある程度以上の強さで腕や肘が顔に当たっている以上、何らかのカードが出るのが通例です。

 

放送では日本の2点目(本田選手の得点シーン)が流れていたため、腕が当たったいきさつ(2人がどのような方向からどのようなタイミングで競り合いに参加したのかなど)があまりよく確認できないのですが、アブダラー・ディーブ選手が大きく腕を広げているので、イエローカードで警告されてもおかしくはないと思われます。

 

肘を張って顔面を狙ったわけではなく、どちらかというと肘が当たってしまったということで、「著しく不正なファウルプレー(1発レッド)」ではなく、「反スポ(ラフプレー、イエローカード)」になりました。

 

しかし、アブダラー・ディーブ選手は既に1枚イエローカードを提示されていましたから、累積2枚となり退場となってしまいました。 

 

 

後半6分28秒付近

ヨルダン代表の13番(ハリル・バニアテヤ選手)がペナルティーエリア内で前田遼一選手の足を引っ掛けて倒してしまったシーン。

 

ファウルがなければ、前田選手がゴールライン付近までドリブルしてゴール前に大きなチャンスとなるクロスを入れられていたはずです。(もしかしたら、自分で持ち込んでいたかもしれませんが・・・。)

 

トリッピングのファウル自体は、「不用意」レベルだと思われますので、やはりカードの理由としては、

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

反スポーツ的行為に対する警告

(中略)
●戦術的な目的で、相手競技者に干渉する、または大きなチャンスとなる攻撃の芽を摘むファウルを犯す。
(後略) 
  

に該当した、という判断だと思います。

 

キム・ドンジン主審の動き、落ち着いてますねぇ。

 

ファウルを認定して笛を吹き、ペナルティーエリア内であるという判断から、すぐさまペナルティーマークを指しに移動します。PKであるという宣告をしてから、反則を犯したハリル・バニアテヤ選手のところに移動して、イエローカード提示。

 

自分が担当する試合で同じようなシーンになったら、同じようにスムーズに振舞えるようにしたいものです。

 

後半18分35秒付近

日本代表の5番(長友佑都選手)が、ヨルダン代表の13番(ハリル・バニアテヤ選手)を押し倒した、というプレーに対し、ヨルダン代表のGK(アメル・シャフィ選手)が、キム・ドンジン主審に「警告となる反則ではないか?」と激しく抗議します。

 

主審は、当初相手にしていませんでしたが、あまりにしつこくアメル・シャフィ選手が抗議してくるので、主審に対する「異議」を唱えたということで警告となりました。

 

競技規則 第12条 ファウルと不正行為

警告となる反則

(中略)
●言葉または行動による異議
(後略)


 

後半26分41秒付近

日本代表の17番(長谷部誠選手)が、ヨルダン代表の19番(アナス・バニヤシーン選手)の足元にスライディングタックルをしたシーン。

 

解説の松木氏は「タックル自体はボールに行っているので悪いタックルではない。」「流れでレフェリーも取ってしまった(カードを出してしまったの意味?)。」というようなコメントをされていますが・・・。審判の立場から言わせてもらうと、非常に違和感を感じる解説でした。

 

このブログ上で何回も書いているのですが、例えボールに先に触れていても、相手競技者の安全を顧みない(スライディング)タックルは、警告または退場となるケースがあります。

 

長谷部選手のプレーも、アナス・バニヤシーン選手のやや斜め後方からのスライディングタックルで、ボールと一緒にアナス・バニヤシーン選手の足まですくって止めようという意図が感じられました。

 

自分(長谷部選手)が攻撃参加していて守備が手薄になっているという意識も働いて、思わずアナス・バニヤシーン選手を「止めに行った」というような感じが。

 

ただ、点差を考えると、そこまでしなければならないシーンではなかったように思います。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

著しく不正なファウルプレー

(中略)

いかなる競技者もボールに挑むときに、過剰な力や相手競技者の安全に危険を及ぼす方法で、相手競技者に対し片足もしくは両足を使って前、横、あるいは後ろから突進した場合、著しく不正なファウルプレーを犯したことになる。

(後略) 


 

この著しく不正なファウルプレーに該当するほど「過剰な力」で突進(スライディング)したわけではありませんが、「無謀に」ファウルスライディングタックルを行なった、あるいは相手競技者の安全に危険を及ぼす方法だった、という判断なのだと思います。 

 

ま、そんな複雑な解説をしなくても、カード無しで済まされる「不用意」レベルではない、つまり「無謀な(=ラフプレー)」でした、という解説でも良いのかもしれませんが、とにかくスライディングタックルをして先にボールに触れたら反則にはならない、という勘違いをしている選手・指導者が少なからずいらっしゃるようなので。 

 

 

イエローカードの理由(「反スポーツ」など)については、公式記録と同じなのですが、理由の詳細については、私の個人的な見解ですので、ご了承ください。

 

☆ 関連記事 ☆

「著しく不正なファウルプレー と 乱暴な行為 の違い」

「ボールに先に触れても反則(退場)となるケース … 2011 Referee Week in Review - Week 21 (米国サッカー協会)より」 


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