3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
アドバンテージについて
  

 

昨日の記事でアドバンテージについて触れました。

基本的なこと(競技規則に書かれていることなど)に関しては、

「プレーオン(アドバンテージ)とは」

「プレーオン適用時の注意事項」

「プレーオン適用時の警告のタイミング」 

あたりの過去記事を読んでいただければ、と思います。

 

以前、 「松崎審判委員長がアドバンテージについて寄稿。(テクニカルニュース)」 の記事において、寄稿された文章自体は掲載しなかったのですが(掲載しなかった理由は、当該の記事でご確認ください。)、今日の記事では、出典を明示したうえで、全文を掲載したいと思います。

 

試合で審判員がプレーオンをかける(アドバンテージを適用する)、という行為を行うために判断しなけれなならない部分あるいは考慮しなければならない部分だけを抜粋することも考えたのですが、部分的に抜粋すると、松崎委員長(当時)が伝えようとしてくださっていることが正しく伝わらないような気がするので、全文掲載することにしました。

 

ということで、松崎・前委員長、JFA審判委員会さん、問題があればご連絡ください。すぐにこの記事を削除しますので。



 

アドバンテージについて 松崎康弘(JFA 審判委員会委員長 ← 当時)

-審判員と指導者、ともに手を取り合って・・・(テクニカル・ニュース Vol.46 2011年11月、公益財団法人日本サッカー協会技術委員会発行) より-

 

 最近のJリーグの試合で、「うまいな」とも、「すごいな」とも感じるアドバンテージの適用を多く見る。直接得点につながるケースもあるし、ディフェンディングエリアから1つだけでなく2つも、3つも続けてアドバアンテージが適用されて、前線にボールがつながることもある。流れるようなプレーの連続、サッカーの醍醐味である。

 

 ファウルはファウルであり、それは罰せられなければならないが、サッカーでは許される接触はファウルとしない、"フットボールコンタクト"を認めていこうというのは、今シーズンのレフェリングのターゲットである。それもあってか、選手がタフにプレーしている。同時に、少しでも前にいけるというチャンスがあれば、ファウルがあってもプレーをやめない。

 

 主審の的確なアドバンテージの適用、そして、そのの前提として、笛が鳴るまで選手がプレーをやめない姿勢がある。ファウルされているのに、頑張って続ける。最近、随分変わってきているなと感じるところであり、すばらしいことではないかと思う。

 

 ところで、アドバンテージの本来の意味が正しく理解されているのかな?と思うこともある。テレビのサッカー中継で、ファウルがあって主審がアドバンテージを適用しているにもかかわらず、「ノーファウルでした」と実況。また、とにかくプレーを流すことがアドバンテージの適用だという言葉も耳に入る。

 

 ”アドバンテージ”とは、日本語で”利益”という意味。主審はファウルがあってもフリーキックを与えるよりも、そのままプレーを流した方がそのチームにとって”利益”になると判断した場合、競技規則の第5条の「アドバンテージに関する条項」を適用して、プレーが続けられるようにする(「アドバンテージを採用する」という表現は誤り)。

 

 現在では”予期したアドバンテージ”がそのときに実現しなかった場合、適用後数秒以内であれば、元に戻ってプレーキックを与えることができるので、チャンスにつながるなと思ったら、主審は積極的にアドバンテージを適用できる。

 

 しかし、なんでもかんでも、プレーが止まらないことがすばらしい、ボールが味方につながれば、プレーを流すべき、それこそがサッカーだと思っている人がいるなら、それは間違いである。

 

 「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」にも書かれているのだが、「相手競技者のゴールに向かって、素早く、また大きなチャンスとなる攻撃ができる機会にある」ことがアドバンテージ適用の判断の一つ。ボールがただ味方選手につながっただけでは十分ではなく、チャンスに結びつかなければならない。

 

 主審はアドバンテージを適用するにあたって、選手がプレーを続けたいという気持ちがあるのかどうか、プレーの意図、試合がどのように展開されていくのかを読まなければならない。その上で、フリーキックを与えるのと、そのままプレーを続けるのと、どちらが有利になるのかを見極める。

 

 ペナルティーエリア近くで得点につながるプレーにつながるときはもちろん、ディフェンディングエリアでファウルがあってもその後、前方に位置するフォワードにダイレクトプレーのパスが通る状況ならば、アドバンテージを適用したほうが良い。逆にすばらしいキッカーのいるチームがエリア近くでファウルを受ければ、あまり良い展開ではない状況でプレーを流すよりもフリーキックを与えたほうが得点の可能性が高い場合もある。

 

 言わずもがな、一発レッドや警告でも2枚目のイエローカードになる場合は、よほどのことがない限り、アドバンテージの適用はない(味方競技者が倒されたが、ゴール前でアタッカーがフリーになって、プッシュすればボールがゴールに入る。これには当然アドバンテージが適用される)。さもないとプレーしてはいけない選手がプレーを続けることになり、もしかすると得点などの重大なことに関係してしまう可能性も出てしまう。だから、プレーを停止する。

 

 さらに言えば、"試合の状況(雰囲気)”も考慮する必要がある。試合がヒートアップしそうな状況、もう熱くなってしまった試合。そんなときにアドバンテージを安易に適用してしまうと、報復やら危険なプレーの連続さえ引き起こしてしまうことになる。

 

 戦術的な読み、選手の能力やプレーへの意欲の読みだけでなく、主審にとって、いかに試合の”雰囲気”を肌で感じるか、これもアドバンテージ適用上の重要な要素である。

 

 本来持つスピードが保障されるサッカーはすばらしい。しかし、フリーキックなどで止めなければならないときは止まり、試合全体がぎくしゃくしないようになる。それが試合のスムーズな進行である。

 

 プレーは熱く、激しく、かつよどみなく試合の流れを保つ。アドバンテージから得点に結びついたら、審判冥利に尽きる。そして、頑張ってくれた選手に感謝、感謝である。 


 

  

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では、①反則の場所②時間帯③技術レベルやグランドコンディション④審判の技術レベル⑤反則の悪質さなど、アドバンテージの適用の判断材料にすることが細かく説明されています。(※)

※2011/2012年度版において確認したものです

 

☆ 関連記事 ☆

「プレーオン(アドバンテージ)とは」

「プレーオン適用時の注意事項」

「プレーオン適用時の警告のタイミング」 

「松崎審判委員長がアドバンテージについて寄稿。(テクニカルニュース)」 

「まだ実際に試合中にプレーオン(アドバンテージ)をかけたことがない、という方に参考になりそうな映像を見つけました」 

「審判冥利に尽きる? … 2011 Referee Week in Review - Week 9 (米国サッカー協会)より」


 
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