3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
だから、それは反則だって!(正しいルール解説を入れて報道してよね、やべっちFCさん)

 

本日未明に放送された、テレビ朝日の「やべっちFC」の録画を確認したところ、本来反則として得点が認められてはいけないプレーが「印象に残ったシーン」というタイトルで、紹介されてしまっていました。

 

「反則&認められてはいけない得点が認められてしまった」ということが一切触れられずに・・・。

 

放送を見て、いつかどこかで真似するサッカー選手がきっと出てくると思う。その時ケガ人が出なければいいのだけれど・・・。 

 

 

(放送された内容を確認したい方は、こちら

http://varadoga.blog136.fc2.com/blog-entry-36515.html 

の映像の先頭から20分00秒~をご覧ください。注:映像をご覧になるためには、Google Chrome で拡張機能の設定を行う必要がある場合があります。 )

 

youtube 上にある試合のハイライト映像はこちら。(先頭1分38秒~をご確認ください。)


YouTube: Chelsea vs Cardiff City 4-1 All Goals & Full Match HighLights 19.10.2013 HD Premier League


 

これ、一歩間違えば、大けがにつながりかねない※ので、競技規則上「反則行為」としてきちんと定められています。

 

※パントキックの動作に入っているゴールキーパーに相手競技者がチャレンジすることは、「危険な方法でプレーした」という理由で「警告」の対象となります。(後述)

 

まずは、ゴールキーパーが弾ませているボールに触れることが反則になるということを、競技規則で確認します。

 

解りやすくするため、競技規則の文章の前後を入れ替えて解説します。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

ゴールキーパーの反則

(中略)
ゴールキーパーが手でボールを保持しているとき、相手競技者はゴールキーパーに挑むことができない。 
(後略)


 

ここだけを読むと、今回はゴールキーパーはボールを地面にバウンドさせるために手から離しているので、「手でボールを保持している」とは言えないんじゃないの?と思われるかも知れません。

 

しかし、この文章の前に「手でボールを保持(コントロール)」というのはどいうことなのか、ということが定義されていて、ボールを弾ませる行為が含まれていることがわかります。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

ゴールキーパーの反則

(中略) 

次のとき、ゴールキーパーがボールをコントロールしていると判断される。

●ボールがゴールキーパーの両手で持たれているとき、またはボールがゴールキーパーの手または腕とグラウンドや自分の体など他のものとの間にあるとき
●ゴールキーパーが広げた手のひらでボールを持っているとき
●ボールを地面にバウンドさせる、または空中に軽く投げ上げたとき

(後略)


 

この文章のあとに、先に紹介した文章が続いています。なので、先に紹介したプレーは完全にアウト(反則)なのです。( 英語版の文章では • while in the act of bouncing it on the ground or tossing it into the air と記載されています。)

 

もし、これが単純にボールをバウンドさせていただけでなく、ドロップキック(ボールをバウンドさせた直後にキックする方法)のタイミングで行われたものであれば、間違いなく「警告」されることになるのです。

 

確認します。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

ゴールキーパーに対する反則

(中略)
●ゴールキーパーがボールを放そうとしているときに競技者がそのボールをけるまたはけろうとすることは、危険な方法でプレーすることで罰せられるものとする。
(後略) 


 

危険な方法でプレーした場合の懲戒罰を確認しておきます。

  

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

危険な方法でのプレー

危険な方法でプレーするとは、ボールをプレーしようとするとき、(自分を含む)競技者を負傷させることになるすべての行為である。この反則は、近くにいる相手競技者が負傷を恐れてプレーできないようにすることである。

(中略)

危険な方法でのプレーには、競技者間の身体的接触がない。身体的接触があった場合、直接フリーキックやペナルティーキックで罰せられる反則となる。身体的接触がある場合、主審は不正行為も犯される可能性が高いことを十分考慮しなければならない。

懲戒の罰則
●競技者が危険ではあるが〝通常の方法〟で相手に挑んだ場合、主審は懲戒の罰則を与えるべきでない。その行為により明らかに負傷を引き起こす可能性がある場合、主審は競技者を警告する。

(後略)
 

 

ボールをコントロールしているゴールキーパーに対するチャレンジはもちろん、パントキックやドロップキックの動作開始しようとしているゴールキーパーの動作を妨害してボールを蹴ろうとする行為は、「反則」と定められているので、「通常の方法」ではありません。

 

その行為によりゴールキーパーを負傷させてしまう可能性が非常に高いので、間違いなく「警告」されるべき行為です。

 

(過去記事 「手でボールを保持しているゴールキーパーへのチャレンジはできません」 においてイエローカードで警告されている映像をいくつか紹介していますので、選手の方はぜひ確認しておいてください。 

また、審判担当時に、不自然にゴールキーパーに近づく相手競技者を見つけた場合は、「〇〇番!ゴールキーパーから離れなさい!」という声かけをすることで、負傷者がでる事態を未然に防ぐようにしましょう。)

 

なお、先のプレーについての正しい再開方法と懲戒罰についてですが、身体的な接触がなかったようなので、「危険な方法でプレーした」ということで、反則が行われた場所から守備側チームの「間接フリーキック」で再開となります。また、反則の度合いについても「無謀に」というほどのものではなく、「不用意」レベルなので、懲戒罰は必要ないと思います。

  

 

さて、一歩間違えば大けがにつながるような反則行為が見逃されて、更には得点まで認められてしまったシーンを、「印象に残ったシーン」という表現で、反則という表現は一切なく、まるで美化して「推奨されるようなプレー」として放送されてしまったという状態のまま放置されることは、かなりマズイことだと思います。

 

(公財)日本サッカー協会は、日本国内のサッカー選手がこのプレーが「許される」ものだという誤った認識を持ってしまわないようにアクションを起こしたほうがよろしいかと。(せめて次回の放送でお詫び&訂正くらいは入れるように打診・要請するとか。)

 

日本サッカー協会がアクションを起こすかどうか不明だし、「やべっちFC(テレビ朝日)」が今回の放送の訂正をするかどうか不明です。

 

ということで、twitter やFacebook でアカウントをお持ちの方は、1人でも多くのサッカー選手に対し、このプレーが反則行為であるということを知ってもらうために、この記事の拡散にご協力を。(笑) 

 

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☆ 関連記事 ☆

「ゴールキーパーに対する反則」

「ゴールキーパー(GK)へのチャレンジについて」 

「ゴールキーパーがボールから手を放すのを妨げると反則 ほか … 2011 Referee Week in Review - Week 27 (米国サッカー協会)より」 

「ゴールキーパーが手からボールを放すのを微妙な距離を保って妨げたら」 

「手でボールを保持しているゴールキーパーへのチャレンジはできません」

「ゴールキーパーがボールから手を離すのを妨げたら反則 ・・・ 2010 Referee Week In Review Week 3 CLIP 1」

「ボールを弾ませているゴールキーパーからボールを奪うことはできません。たとえ身体的な接触がなくても。」 

 

 
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コメント
コメント
No title
いつも楽しく拝見させて頂いております。
初コメです。

確かにやべっちFCにはがっかりしました。
この番組は子供も見ていると思うので影響がないといいですが…

名波氏含め解説者も競技規則を理解していないとですね。


それと新シーズンのと思われるレフェリーウォッチらしきものがありました。
昨シーズンと恐らく型は同じですが今シーズンは緑ですね。アマゾンでもあったのでお時間があったら見て下さい。

今後も面白い記事を期待しています!


夜遅く失礼しました。
2014/01/31(金) 00:39:57 | URL | 通りすがりのref #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
通りすがりのref さん、はじめまして&コメントありがとうございます。

>この番組は子供も見ていると思うので影響がないといいですが…
そうなんですよね。そこが非常に心配です。
 
>それと新シーズンのと思われるレフェリーウォッチらしきものがありました。 
情報ありがとうございます! 早速HTMLリンクを貼らせてもらいました。
 
でも、個人的にはモデルチェンジしてバイブレーション機能を復活させてもらいたかったですねぇ~。
 
>今後も面白い記事を期待しています!
これからも、応援よろしくお願いいたします。
m(_ _)m
2014/01/31(金) 06:57:15 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
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