3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
オフサイドか否か&レッドか否か。連続して起きる際どいプレーを瞬時に的確に判断しなければならない。(第92回全国高等学校サッカー選手権大会 準決勝 富山第一(富山) vs 四日市中央工業(三重) の試合から)


またまた長いタイトルでごめんなさい。


   

まずは、副審1の後方からの映像(先頭から1分05秒付近~)をご覧ください。


YouTube: 高校サッカー準決勝富山第一×四日市中央工の攻防


 

1)映像の先頭から1分07秒の富山第一の右サイドの縦パスがオフサイドかどうか。

2)映像の先頭から1分11秒の四日市中央工のゴールキーパーのファウル(ホールディング)は、レッドカードではなくてイエローカードで妥当かどうか。

 

みなさん、どうお感じになりましたか?

 

ちなみに審判団(大坪博和主審、堀越雅弘副審)の判断は、

1)オフサイドではない 2)イエローカード相当

というものでした。

 

残念ながら、上の映像ではいづれも判断がつきません。そこで下の映像で検証してみました。下記映像の先頭から29分30秒付近~をご覧ください。


YouTube: 2014-01-11 第92回 全国高校サッカー選手権 準決勝(三重 ー 富山)

 


※下のすべての画面キャプチャ画像は、クリックで拡大します。

 

まず1)のオフサイドかどうかについて。

縦パスが出た瞬間の画面キャプチャ。
20140111_101.jpg

 

残念ながらオフサイドラインの基準となる選手が見切れてしまっています。しかし、選手の影を見ると、富山第一(青色のユニフォーム)の選手は、オンサイド位置にいると判断するのが妥当なようです。




一応、上の画像にオフサイドラインの補助線を引いてみました。
20140111_102.jpg

 

で、次の瞬間には、
20140111_103.jpg



こうなっています。本当にパスが出た瞬間(ボールが蹴られた瞬間)を見極めないと、誤った判断(オフサイドではないのにオフサイドと判定)をしてしまうことになります。 

 

選手の動きが、下の図の矢印の方向だったため、オフサイドだと錯覚した方も多いんじゃないかなぁ、と思います。
20140111_104.jpg

 

ディフェンス(四日市中央工)の選手が相手チーム(富山第一)のFWの選手をオフサイドにするためにオフサイドラインを上げたのですが、そのタイミングが遅れてしまったため、オフサイドにはならなかったのです。(いわゆるオフサイドトラップの掛け損ないです。)

 

オフサイドトラップは「両刃の剣」で、しっかりハマれば合法(?)的に相手チームのチャンスを潰すことになるので良いのですが、失敗すると相手チームに決定的なチャンスを与えることになってしまいます。

  

この際どいプレーを見極めた堀越雅弘副審、GOOD JOB!ですね~。

 

では次。

四日市中央工のゴールキーパーが富山第一のFWの選手の進行を阻止する直前の画像キャプチャ。↓
20140111_201.jpg

 

ファウル直後 ↓ 。
20140111_203.jpg


 

「得点、または決定的な得点の機会の阻止」をした、として主審が選手にレッドカードを提示するためには、下記の5つの条件全てが満たされていなければなりません。

●反則とゴールとの距離
●ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
●プレーの方向
●守備側競技者の位置と数
●相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する反則が直接フリーキックまたは間接フリ ーキックとなるものであること 

  

このうちまず「プレーの方向」の項目について考えます。ゴールキーパーをかわすため、富山第一のFWの選手がワンタッチ目でボールを大きく前方に蹴っていて、そのボールはゴールの方向には向かっていません。

 

もし、ゴールキーパーによる進行の阻止がなければ、ゴールラインを割るまでにボールをキープできる(コントロールできる)可能性は高かったと思われますが、ボールの軌道をゴール方向に変化させ、そのボールがゴールに到達する頃には、3人の守備側選手のいづれかまたは全員がゴールマウスの前まで戻ってきていた可能性があります。

 

このあたりを瞬時に判断し、大坪博和主審はレッドカードではなく、イエローカードを提示したものと思われます。

  

イエローカードの理由を競技規則で確認しておきます。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

相手競技者を押さえる

手、腕、または体を用いて相手競技者の進行や動きを阻止することは、相手競技者を押さえることである。

(中略)

懲戒の罰則

●相手競技者を押さえて、相手競技者がボールを保持することを妨げる、または有利な位置を得ようとするのを阻止する競技者は反スポーツ的行為で警告されなければならない。

(後略)


  

審判団による連続した2つの素晴らしい判定が瞬時に行われていた、ということをお伝えしておきます。 

 

マスコミも審判のミスばっかり報じないで、たまにはこんな報道をしてくれれば良いのに・・・。

 
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コメント
コメント
No title
いつも拝見させていいただいています。

唐突にお伺いするご無礼をお許し下さい…

前半0分55秒のオフサイドのシーンですが、オフサイドの成立の笛の後に、シュート(キック)モーションに入っているので警告(遅延行為)のような気がします・・・

右サイドのDFの子も、「あれ、いいの?」のような感じで指差してREFにアピールしているように見えるのですが。

前半1分でスコアレスなので、「注意で済ませよう。」とREFが判断されたのか、あれくらいで警告はしなくてもいいだろう…(試合中盤や、1vs0スコアであっても)と判断されたのでしょうか。。。

僕は前者であると思いますが、authorさんはどのように思われるでしょうか・・・?
2014/01/13(月) 05:44:34 | URL | めちゃもん #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
めちゃもん さん、はじめまして&コメントありがとうございます。
 
>前半0分55秒のオフサイドのシーンですが、オフサイドの成立の笛の後に、シュート(キック)モーションに入っているので警告(遅延行為)のような気がします・・・
 
確かに笛のあとですよね。
  
カードを提示するかどうかについてですが、

1)試合開始直後である
2)スコアは0-0
3)笛から極端に遅れた行為ではなかった
 
の全てを総合的に判断されたのだと思います。
 
私的には、得点が上回っているチームが残り時間を無駄に消費させるために行ったというような悪質さがないことがはっきりしていて、試合開始直後で選手が少し緊張気味である(力が入っている)ということまで考えた対応だと思います。
 
私も「注意」で済ますと思いますし、実際、アウトオブプレー中に、主審が当該の選手に口頭で「注意」しているように見えます。
 
レフェリーの任務は、カードを出すことが目的ではなく、カードを適切に使いながら円滑で安全なゲーム管理を行うことだと思います。
 
もしこのタイミングでカードを提示していた場合、仮に試合の比較的早い段階でその選手が再び「反スポーツ的行為」など本当にカード対象となる行為を行ったためにイエローカードを提示しなければならなくなった時、その選手を「退場」させなければならなくなります(2枚目のイエロー)。
 
その選手は、「退場」させられなければならないような2つの反則行為を本当に行ったのか?となり、1枚目のイエローカードが「本当に提示しなければならないイエローカードだったのか?」と考えることになってしまいます。
 
そういう意味でも、「注意」が妥当だと思います。
 
(ちなみに、現在作成中の米国サッカー協会のRefere-Week-in-Review-2010-Week8 の紹介記事のテーマの1つが、「2枚目のイエローカード」です。記事掲載は来週になると思いますが、お楽しみに~。)
 
2014/01/13(月) 09:39:57 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
サッカー未経験者ですが、子供が少年団に入ったことがきっかけで4級を取得した新米レフリーです。いつも楽しく拝見&勉強させてもらっています。
『四日市中央工のゴールキーパーが富山第一のFWの選手の進行を阻止したプレー』に関して質問です。
もし仮にあの場面で、四中工のキーパーが先にボールに触れていたならファールにはなりませんか?
また、キーパーが先にボールに触れた場合でも、そのまま勢いで攻撃側選手に突っ込んで倒してしまったら、不用意なプレーとしてファールとなりますか?
初歩的な質問で恐縮ですが、解りやすく教えていただけたら嬉しいです。
2014/01/13(月) 19:29:36 | URL | 新米4級レフリー #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
新米4級レフリー さん、はじめまして&コメントありがとうございます。
 
>もし仮にあの場面で、四中工のキーパーが先にボールに触れていたならファールにはなりませんか?
また、キーパーが先にボールに触れた場合でも、そのまま勢いで攻撃側選手に突っ込んで倒してしまったら、不用意なプレーとしてファールとなりますか?
 
基本的には、ボールに先に触れた方に優先があります。しかし、アプローチの仕方が「不用意」であったり、「無謀」であったり、「過剰な力」を用いるなど相手競技者の安全を脅かす行為を同時に行っていた場合は、反則となるケースがあります。
 
過去記事 
http://tom3.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/08/2011_referee_-2.html
に詳しく書いてありますので、ぜひそちらをご覧になってみてください。
 
2014/01/13(月) 22:41:56 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
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