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3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
ゴールキーパーが退場になると・・・
 

 

前回および前々回でペナルティーマークからのキック(いわゆるPK戦)時のゴールキーパーの交代に関する記事を書きました。

 

また前回の記事では、2007年度の「通達」に関する文章を紹介しました。その通達の中で、例外規定として、

 

3.例外

GKの負傷退場などにより、緊急避難的にFPがGKに代わる場合については、他の競技者等と区別する色の服装であるならば、その競技者の番号等の表示を義務付けるものではない(通常の試合時間内および延長戦も同様)。


 

という文章があるのですが、この通達に関係する試合映像があるので、紹介します。

 

試合は、2009年1月3日に行われた、第87回全国高校サッカー選手権大会の3回戦。鹿児島城西vs宇都宮白楊 の試合です。

 

紹介する映像で、審判のレフェリングで見習うべきポイントが他にもあるので、それも合わせて紹介したいと思いますが、まずは、映像をご覧ください。


 

では最初に、今回の記事の目的の確認。

(以下、FP:フィールドプレーヤー、GK:ゴールキーパー、DF:ディフェンダー(守備的FP))

 



鹿児島城西が交代枠を使い切っているため、GKの退場に伴い、そのときピッチ内にいたFPがGKとして試合の残り時間をGKとしてプレーすることになったのですが、「通達」の通り、自分の背番号とは違うゴールキーパー用のユニフォームを着用させて試合を続行しています。

 

ちなみに、もし、鹿児島城西の交代枠が残っていれば、ピッチ内に残っていたFPと控えのGKを交代させて、PKからプレーさせることが可能でした。(GKが退場になった場合は、即座にプレーは再開されないため。) 

 

さて、次にその他のレフェリングのポイント。

 

1)GKの反則行為をきちんと確認していた

2)反則行為は確認していたが、直ちに笛を吹いて試合を停止するということをせず、アドバンテージを採用していた

 

が、挙げられると思います。

 

1)GKは、自陣ペナルティーエリア内であれば、味方チームからのバックパスされた場合以外のボールに手で触れることは可能です。よって、相手競技者と同じタイミングでボールに接近し、ボールに触れようとした一連の動作のなかで、相手競技者と接触して倒してしまったとしても、反則とはなりません。

 

しかし、今回の場合は、相手競技者が先にボールに触れたため、抜かれることを阻止するために、GKが手で相手選手のゴールに向かう動きを阻止しようとする意図が見えます。(映像の開始から44秒付近のリプレー画像が判りやすい。) 

 

ちなみにこの場合、ホールディング(相手競技者を押さえる)、あるいはプッシング(相手競技者を押す)、またはファウルタックル(相手競技者にタックルする)などの、フリーキックまたはペナルティーキックの対象となる反則に該当します。 

 

よって、競技規則の第12条 で規定されている「退場」となります。

 

競技規則 第12条 ファウルと不正行為

退場となる反則

競技者、交代要員または交代して退いた競技者は、次の7項目の反則を犯した場合、退場を命じられる。

(中略)

●フリーキックまたはペナルティーキックとなる反則で、ゴールに向かっている相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する

(中略)


 

瞬間的なプレーでしたが、主審はGKのとっさの左手の動作に、「相手競技者の決定的な得点の機会の阻止」する意図を感じ取り、退場を命じたわけですね。

  

2)のアドバンテージ採用について。(試合の映像では、主審がアドバンテージを採用しているポーズ(アクション)が確認できないのですが、笛のタイミングから考えると、アドバンテージを採用していると思われます。)

 

GKのファウルの直後、ボールがゴールに向かっていたので(最終的にはDFがクリアしたが)、もしボールがそのままゴールに入っていれば、宇都宮白楊の最大の利益である「得点」となるため、主審はアドバンテージを採用しています。

 

これは、競技規則の第5条 主審 のところで規定されています。

 

競技規則 第5条 主審

職権と任務

主審は、

(中略)

●反則されたチームがアドバンテージによって利益を受けそうなときは、プレーを続けさせる。しかし、予期したアドバンテージがそのときに実現しなかった場合は、そのもととなった反則を罰する。

(中略)


 

今回の場合、主審が予測した利益(ボールがゴールにそのまま入って得点となること)が得られなかったということが確定した地点で、主審は「笛を吹いて」試合を停止し、GKの反則に対する懲罰「退場」とペナルティーキックを命じた訳ですね。

 

ちなみに、もし、ボールがゴールに入り、宇都宮白楊の得点となっていた場合は、GKを「退場」ではなく、「警告」にしなければなりません。これは、競技規則のガイドラインに規定されています。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

得点、または得点の機会の阻止

(中略)

決定的な得点の機会があり、相手競技者がボールを手で扱い、また相手競技者にファウルしたにもかかわらず、主審がアドバンテージを適用し、その後、直接得点となった場合、その競技者は退場を命じられないが、警告されることがある。

(中略)


 

整理すると、決定的な得点の機会をファウルで阻止した場合、アドバンテージを適用して「得点」となった場合は、ファウルした選手に「警告」。アドバンテージを適用したが得点とならなかった場合は、フリーキックまたはペナルティーキックを与え、ファウルした選手を「退場」。

 

つまりファウルで決定的なチャンスを阻止した場合、

「得点」+「警告」   か   「PKまたはFK」+「退場」

のどちらかになります。

 

ただし、退場を命じる場合は、

・反則とゴールの距離
・プレーの方向
・守備側競技者の位置と数

など、そのファウルがなければ「本当に決定的なチャンス」になっていたのかどうかをしっかり見極める必要があります。

 

これらを見極めるためには、主審はしっかりゴール前まで走りこんでレフェリングしないと大変なことになります。 

 

 

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