3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
だからアフターチャージなどアフター系のファウルは厳しく取り締まられる



昨日の記事、「2013年J1第10節 大宮VS広島 の試合から」 の続きです。



昨日の記事にも書きましたが、プレー的には広島GKの増田選手が、ボールをコントロールし終えた大宮の富山選手にチャージした形です。



今回の場合は、両者とのボールへのアプローチ方法に悪質さはなく、ほぼ正常な競り合いだったと思います。しかし、ほんのコンマ何秒の世界のお話ですが、増田選手のほうが争点に遅れて入っています。



試合は1-1、後半39分。後半に入って先制された広島が、そのあと追いついき、試合の残り時間は10分を切った状態。



富山選手としては、DFのボールが浮いた瞬間、GKとの距離を考えて、「いける!」と判断し、直前に見たゴールの位置とGKの位置や気配をイメージしながら、ヘディングで合わせるために進行方向に対して右に首を振った状態で、ボールのみが視野に入っていた状態だと思われます。



一方、GKの増田選手のほうは、ロングフィードのボールに対して、富山選手がDFと同じレベルまで来ていることが見えていたはずで、自分自身がボールをコントロールできる状態になるタイミングの前後で富山選手がアプローチしてくることは予想できていたはず。



しかもボールしか視野に入っていなかった富山選手に対し、増田選手はボールと富山選手の両方が視野に入っていたはず。



本来であれば、増田選手の進路をイメージしつつ、ぎりぎりまでボールのみをセービングする方法を探りながらボールにアプローチをすべきでした。



しかし広島GKの増田選手としては、得点差と残り時間を考えると、このタイミングでDFとの連携ミスによる失点をする訳にはいかない、という心理も働いたのでしょう。



ちょっとアプローチの仕方が「無謀」だったような気がします。(もちろん、結果論なのですが。)



もし、ボールがゴールに入っていなければ、恐らく大宮にPKが与えられたと思われます。



富山選手の決定的なチャンスをファウルで止めた(ファウルがなければボールに追いついて得点できた可能性があった)ので、

「PK+退場」

になっていたかも。実際には、アドバンテージが適用されて、ゴールが認められているので、

「得点+警告」

相当かな。



競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

得点、または得点の機会の阻止

(中略)

決定的な得点の機会があり、(中略)、また相手競技者にファウルしたにもかかわらず、主審がアドバンテージを適用し、その後、直接得点となった場合、その競技者は退場を命じられないが、警告されることがある。

(後略)
 



ただ、警告の対象となる選手が、重傷を負った状態で負傷退場になることが明白だったので、敢えて「警告」しなかったのかも。(というか、あの雰囲気ではカードを出せないでしょうね。) 



もし、増田選手が負傷退場でピッチを離れることなく、そのままプレーを続けることになっていれば、キックオフで試合を再開する前に、警告していたと思われます。



スポーツなので、アクシデントはつきものです。特にプロの世界は、相手選手と本当にギリギリのところで勝負をしていると思います。



でも、プロの世界とはいえ、選手どうしがお互いの選手生命を脅かすような怪我を避ける努力はしなければならないと思います。



アマチュアであれば、なおさらです。



間に合わないタイミングで、「無謀に」相手選手にチャージするようなプレーを見かけたら、迷わず「ラフプレー」で警告しましょう。



カードを提示しながら、あるいは、カード提示はしないまでも「注意」を与えるためにプレーを停止しておいて、

「(遅れて争点に入り)アフターで身体を当ててはいけないよ。そのようなプレーを続けていると、いつか相手選手はもちろん自分自身も大きな怪我をすることになるから、注意しよう!」

って言ってあげることが、我々アマチュアレフェリーには必要なんじゃないかな、と思います。



間(時間)をとることで、ファウルした選手だけでなく、ファウルされた選手も冷静になる時間を作り、ファウルされた選手に「やり返す」という気持ちを起こさせない、という効果も狙って。



明日の更新では、今季のJリーグで、決定機の阻止で一発退場になっているシーンを確認しておきたいと思います。



 



 
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コメント
コメント
いつも楽しく拝見しています。5/11の浦和vs鹿島での興梠選手のオフサイド疑惑について記事にしてもらえませんでしょうか?ちなみにこちらが私の見解です。
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確かに厳密に言えば体1/3から1/2出ていたかもしれないけどこれくらいでは取らないのがヨーロッパの常識。副審はすばらしい判定をしたと思う。梅崎が蹴った瞬間はほぼ並んでいる。DFは蹴ったあとに少し前に出てオフサイドとろうとしているけど蹴ったあとでは遅い。
これくらいの微妙な判定で協会は誤審声明を出さないでほしい。逆に審判をほめるべき。これをオフサイドにしちゃったらサッカーが面白くなくなる。
ビデオ判定がないサッカー。その場で厳しい判断が求められる。蹴った瞬間に体半分出てたか出てないか。人間の目で正確に判断できないのは当然。このような場合ヨーロッパでは疑わしきは罰せずが常識。現にあとからビデオで、蹴った瞬間一時停止して何とか判定できるくらいのものはほとんどオフサイドとらない。マンフト見てるとよくありますよ。わずかにオフサイドじゃない?っていうのが。でも副審は旗を上げない。
結論:厳密に言うと確かにわずかにオフサイドだけどサッカーではこんなの日常茶飯事。協会が何も言わなければこんな騒動にならずにすんだはず。異論のある人はキッカーが蹴る瞬間一時停止してみてください。これもなかなか難しいですよ。蹴ったあと一時停止じゃないよ。足がボールに触れた瞬間ですよ。
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よろしくお願いいたします。
2013/05/15(水) 12:04:00 | URL | ポンテ #- [ 編集 ]
Re
 
ポンテ さん、はじめまして&コメントありがとうございます。
 
浦和vs鹿島のオフサイドの判定については、上川委員長が会見された通り、「得点は認められるべきではなかった」と思います。 
 
竹田副審は「興梠選手がボールに触れたとは思わなかった」し、佐藤主審は「興梠選手がオンサイドから飛び出した」と思いこんでしまって、お二人とも疑うことをせず、お互い確認作業をしなかったことが今回の判定ミスを招いた原因でしょう。
 
ミスはミスなので、同じような間違いが今回の当事者だけでなくJリーグ担当審判員で起きないように努力しなければなりません。
 
上川さんが「再発防止の指導をしたが、罰則を科す予定はない」言っていることから、審判委員会の中ではそれほど大きな問題になっているとは思いません。(ちょっと語弊のある言い方かもしれませんが・・・。)
上川さんが会見した理由は、世間に「誤審だった」と発表することがメインの目的だったのではなく、むしろ別のメッセージのほうでしょう。
 
「微妙な判定の場合、混乱を避けるためスタジアム内でVTR再生はしない、というJリーグの内規(不文律)を関係者は守れ」
 
と。
 
そして、これは私の勝手な憶測ですが、
「試合の主催責任者として中立な立場であるべきマッチコミッショナーが、試合直後に片方のチームを擁護するような行動やコメントをするな」
 
というメッセージも含まれているんじゃないのかな、と思います。(そのようなニュアンスを感じる報道は見当たりませんが・・・。)
 
この2つが今回の騒動を大きくしてしまった原因だと私は思います。(20周年の記念試合で注目されていたこともありますが。)
 
ま、日本では、ヨーロッパに比べると「審判のミスも含めてサッカー」と考える人がまだまだ少ないので、スタジアム内でのVTR再生は慎重にしたほうが良いという意見には賛成です。
 
競技規則上、審判は場内に映し出されるVTR映像を見て判定を変えて良いとは規定されていない、ということもありますし。(判定を変更できるのは、自分自身で誤りに気がつくか、副審または4thの助言を採用した場合のみ、と規定されているので。)
 
記事にするなら、上記のような感じのものになると思いますが・・・。
 
  
2013/05/15(水) 22:31:00 | URL | tom3 #JU5/Lso2 [ 編集 ]
いつも勉強させて戴いております。
今回のプレーで何故カードが出ないのか不思議に思っておりましたが、記事を読み納得です。
2013/05/15(水) 22:24:00 | URL | 4種4級 #- [ 編集 ]
Re
 
4種4級 さん、はじめまして&コメントありがとうございます。
 
あくまで、私の想像の域を出ませんので、ご了承くださいね。
 
2013/05/16(木) 00:24:00 | URL | tom3 #JU5/Lso2 [ 編集 ]
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