先日、市区町村の医師会が主催するスポーツ医学講演会に出席した。
講演会は2部構成になっていて、最初は国立S大学のM先生。この先生のお話も面白かったが、内容は各スポーツ組織団体の歴史などのお話なので、ブログの記事としては割愛する。
2人めの先生は、S(都道府県立)大学の I 先生。タイトルは、「スポーツ愛好ジュニアのための栄養と食事の考え方」
講演会の資料とメモから、キーポイントと思われる部分のみ記載する。ぜひお子さんたちの食生活を考える参考にしていただきたい。著作権の問題があるため、配布された資料の添付はできないので、非常に読み辛いかもしれませんが・・・。(私の所属する団の保護者の方で、配布された資料をご覧になりたい方は、練習時におこしください。)
以下、講演内容
・成長期は食事中心に生活を考える
成長ホルモンは、睡眠直後のノンレム睡眠時に大量に分泌される。
よく食べ、よく動き、よく寝よう。
三大栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)のうち、身体を動かすためのエネルギー・スタミナになるのは、炭水化物と脂質がメイン。車でいうとガソリンに相当。無機質(ミネラル)やビタミンは生理作用の調節に使われる。車でいうとエンジンオイルに相当する。よって必要ではあるが多量に取りすぎる必要はないし、モノによっては大量に摂取すると、かえってよくないものもある。(後述)
スポーツ選手の食事のあり方
競技力向上のための食事は、心身の成長や健康の維持・増進を目的とした食事と基本的に同じ考え方
食事時間の規則性が重要
「待ち」の時間を作り、栄養吸収力をUPさせる。間食を頻繁にとることはよくない。「空腹時」の時間をしっかりつくる。
食事の基本スタイル
・主食(ご飯、パン、麺などの炭水化物)
・主菜(肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質)
・汁
・副菜1(野菜中心の煮物、蒸し物、炒め物)←火を通したかぼちゃ、インゲン、ニンジンなど
・副菜2(野菜中心の和え物、おひたし、酢の物、サラダ)
スポーツ選手の場合、上記の他に
・果物(ビタミンC、クエン酸、食物繊維を摂取するため)
・乳製品
スポーツ選手に意識して摂取してもらいたいものは、炭水化物の次に「野菜と果物」。
ビタミンについて
ビタミンには、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンが存在する
水溶性ビタミンは摂取しすぎても尿で排出されるが、脂溶性ビタミンは摂取しすぎても尿で排出されない。従って、不足しているビタミンをサプリメントで補うことはOKだが、過剰に取りすぎるとかえって身体に不都合なビタミンもあるので注意が必要。
規則正しい食事の重要性
ジュニア選手にとって『朝食抜き』は、致命的。
朝食の重要性
体温は睡眠中に低下する。朝食をとることで体温が高まる。朝食を抜くと起床後に上がった体温が、昼食前に再び低下する。低下するということは、脳を含めた身体組織の機能低下状態に陥っていると考えられる。
朝食をとると血糖が上昇する。朝食をとらなければ、昼食時まで「低血糖」状態が持続する。
朝食を抜くと血中遊離脂肪酸(FFA)が上昇する→FFAが食欲中枢を刺激→イライラを引き起こす。 最近の「キレやすい子供が多い」というのは、朝食を抜いている子供が増えたため、という研究報告も。
クエン酸によるグリコーゲン貯蔵の促進
運動直後(肝臓および筋肉のグリコーゲンが消費された直後)に単にぶどう糖のみを摂取した場合と、「ぶどう糖+クエン酸」を摂取した場合、肝臓および筋肉への再貯蔵に雲泥の開きが生じる。
球技系スポーツ選手には
1)カルシウム+ビタミンDで頑強な骨格を!動物性たんぱく質との組合せでさらに◎
2)ビタミンC(コラーゲンの合成に不可欠)で靭帯や腱も強化
3)バランスよく食べてスタミナ&筋力を蓄える
スタミナ・・・体内に酸素を取り込み、血液(鉄)を通して筋肉に運び、筋グリコーゲンを使ってエネルギーを作り出す能力
・水分摂取は「少量多回」 ~成分、濃度、温度、タイミング~
・サプリメントのパフォーマンス向上機能 ~実は、ほとんどが未だに効果不明~
サプリメントは文字どおり補助剤
多くは有効性の科学的根拠や長期摂取による安全性が確認されていない。現在研究中のものがほとんど
栄養バランスのとれた正しい食事摂取をしていれば必要ない。必要以上に摂っても競技力向上に効果なし
栄養アセスメントを行い、慢性的に不足している栄養素、必要量、使用のタイミングを知ることが第一
過剰摂取に注意(←アミノ酸系は特に注意、絶対に摂りすぎてはダメ)
《サプリメントが有効と考えられる使い方》
減量・体型重視の目的による食事制限中。
あるいは強化トレーニング、試合前の緊張等による食欲低下時。
といったところが講演内容。
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