3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
このスタンピング(stomping/jumping on the opponent)、私なら現場で「故意」と見抜けたのだろうか・・・(2015 J1 第4節 鹿島 vs 鳥栖 の試合から)


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2015 J1 第4節 鹿島 vs 鳥栖
http://www.jleague.jp/match/j1/2015/040301/live



鳥栖の出場記録の「警告・退場・出場停止」

では、鹿島戦において「ラフプレー」の「C2」ではなく、「反スポーツ的行為」の「C1」という表示になっています。



競技規則上、2つ以上の反則が同時に行われた場合、より重大なほうが処罰されます。



ただ、「反スポーツ的行為(ホールディング)」と「ラフプレー」が「ほぼ同時」に行われた、と判断した場合は、ともに「懲戒罰がイエローカード」と同じなので、C1のほうだけが記載されたのかなぁ、と思っていたのですが、

2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第4節 の行為に対する キム ミンヒョク選手(鳥栖)の出場停止処分について (Jリーグ プレスリリース)

を読む限り、扇谷健司主審には、金崎夢生選手が倒れたあとの出来事は見えていなかったのかも。







ということで、てっきり金崎夢生選手が倒れたあとの行為に対してラフプレーとしてイエローカードが出されたと思っていたので、実際のところ扇谷健司主審にはどのように見えていたのかは、ちょっとよくわからなくなってしまったのですが、プレーを確認しておきます。同じようなシーンに遭遇した場合に、きちんとレッドカードが提示できるようにするために・・・。



リプレイ映像をよ~く見直せば、キム・ミンヒョク選手が、ボールは右足側にあるのに左足を不必要に金崎夢生選手のいる左側に出して、金崎夢生選手を踏みに行っているように見えます。



普通なら、金崎夢生選手が倒れていた場合、ボールのある右足側に左足を寄せるのが自然です。もし、寄せ切れないと判断した場合は倒れている選手を避けるように、大きく股を開いた形で左足を左側にするか、完全に左足側に体重移動して金崎夢生選手を飛び越えるように右足も左足側に寄せるような体の動きになると思われます。(すべての競技者は、自分および相手競技者の安全を配慮してプレーすることが競技規則上求められています。)


キム・ミンヒョク選手のプレー(足の動かし方)は、倒れている金崎夢生選手が危険にさらされていることをまったく無視した形で行っているので、イエローカード以上の懲戒罰になることは確定だと思います。



競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

不用意な、無謀な、過剰な力で

(中略)

”無謀な”とは、競技者が、相手競技者が危険にさらされていることを全く無視して、または結果的に危険となるプレーを行うことである。
●無謀な方法でプレーした競技者は、警告されなければならない。

(後略)




前述の通り、リプレイ映像を見る限り、金崎夢生選手の体を避けようとするのではなく、むしろ「踏みつけ」に行っているように見えるので、

”過剰な力で”とは、競技者がはるかに必要以上の力を用いて相手競技者を負傷の危険にさらすことである。
●過剰な力を用いた競技者には、退場が命じられなければならない。


に該当すると感じます。(2015.04.08 追記。コメント欄に補足をしていただいています。そちらもご確認ください。)



ただね、現場でそれを瞬時に見極めるのは、なかなか難しいんですよね~。「(相手を)踏みつけよう」という悪意が感じられれば、レッドカードを提示できると思うのですが、そのためには、「正しいとされるポジション」から正確にプレーを監視しなければならず、相当のスプリント力&持久力の両方が主審に要求されます。



西村さんが南アフリカワールドカップで、レッドカードを出したシーンなんかも、正直、「これ、よく見極めたよなぁ~。正しい位置からプレーを見ていたから、自信をもってレッドカードを提示できたんだろうなぁ・・・。さすがだなぁ。」って思ったもの。



今回の場合、扇谷健司主審はイエローカードではなくレッドカードを提示すべきだった、という意見があがっていたのは当然だと思います。



確かにリプレイ映像を見ればそれが正解だったように感じますが、現場では「明らかな故意」と「偶発的なラフプレー」との間で悩まれたんじゃないのかなぁ、と思ってこの記事を書いておいて、規律委員会の処分が発表になってからUPしようと思っていたのですが、プレス・リリースを読む限り、主審にはどうやらこのスタンピング(stomping/jumping on the opponent)は見えていなかったようで、ちょっとガックシ。



それからもうひとつ残念なお話。下のスカパー!Jリーグ[公式]のハイライト映像には、当該のシーンは含まれていません。




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コメント
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いつも拝読しております。

このシーン、予想通り大きな問題となりましたね…
自分も恐らく主審をしていたら見えない足だと感じました。

もし見えたとしたら…ということで
管理人さんの言葉に補足をさせていただきたくコメントさせていただきました。

【「過剰な力で」でファウルが犯されたことによる退場】
これだと物足りないのでもっと噛み砕くとこのプレーは「乱暴な行為」だと考えます。
「著しく不正なファウルプレー」による退場は「ボールに挑む時」というのが原則です。
今回のこのシーンの場合はホールディングで相手競技者が倒れ、ボールを失っているにも関わらず踏みつけたということで、「ボールに挑んでいない時」に相手競技者を「過剰な力で」踏みつけたことで「乱暴な行為」を犯したという判定が正しいと考えます。
今後ともよろしくお願いいたします。
2015/04/07(火) 23:48:25 | URL | 佐藤 #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし

佐藤さん、いつもありがとうございます!

> 【「過剰な力で」でファウルが犯されたことによる退場】
> これだと物足りないのでもっと噛み砕くとこのプレーは「乱暴な行為」だと考えます。
> 「著しく不正なファウルプレー」による退場は「ボールに挑む時」というのが原則です。
> 今回のこのシーンの場合はホールディングで相手競技者が倒れ、ボールを失っているにも関わらず踏みつけたということで、「ボールに挑んでいない時」に相手競技者を「過剰な力で」踏みつけたことで「乱暴な行為」を犯したという判定が正しいと考えます。

そうですね。同じ「退場」であっても、審判報告書を読んで、規律委員会/懲罰委員会が、1試合の出場停止なのか、それ以上の処分にしなければならないのかを判断しなければならないので、起きた出来事を正確に報告しなければなりませんよね。

そういう意味では、「あくまでボールをプレーしようとした際に過剰な力で行った著しく不正なファウル」なのか、端から「相手競技者を傷つけようという意図、つまり乱暴な行為だった」のかをきちんと区別して認識・報告する必要がありますね。

さすが、2級審判員さんです!コメントいただき、非常に参考になりました。ありがとうございました!!


2015/04/08(水) 00:12:40 | URL | tom3 #5OAEum2k [ 編集 ]
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