3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
岡崎選手のPK獲得シーン(2015.10.08 日本代表 vs シリア代表の試合から)



審判系のブログは、
「にほんブログ村 サッカー審判」
にあります。
にほんブログ村 サッカーブログ サッカー審判へ ← クリックのご協力を。
 


アジアNo.1レフェリーの呼び声高い、イルマトフ主審をつかまえて、「中東の笛」なんていう失礼極まりない新聞もあるようで、泣けてきます。



イルマトフ主審が、競技規則(2011/2012年度版)の表紙

サッカー競技規則 2011/2012 (講談社 Mook(J))

講談社 (2011-09-29)
売り上げランキング: 692,119

を飾るくらい、FIFAから信頼されているレフェリーだと知った上で、「中東の笛を日本に傾かせた」なんていう記事を書いているんでしょうかねぇ・・・。




ま、それはさておき、岡崎選手がPKを獲得したシーンについての見解を少し。

samurai_2015_10_08_001.gif

よくファウル認定してもらえたなぁ、というのが私の率直な感想。



レフェリーによっては、「フットボール・コンタクト」つまり「正常なチャージング」だと判断された可能性もあった(※文末参照)と思います。



実はこのとき、イルマトフ主審はプレーに追いつけていなかった。これはイルマトフ主審のポジショニングやランニング技術が悪い訳ではなく、非常に長い縦パスだったので半ば仕方がないもの。で、追いつけていない状況の中で、プレーの質(ファウル)を感じながらも自分より近い位置でプレーを監視していた副審1のラスロフ氏の判断もある程度参考にしたものと思われます。



ファウル直後は笛を吹かず、ランニングしながらラスロフ副審のほうに顔を向けています。フラグテクニックを使ったファウルサポートがあったのかどうかは残念ながら確認できませんが、笛を吹き終えたイルマトフ主審がペナルティーエリア内に入ったのとほぼ同時に、ラスロフ副審もペナルティーキック時の立ち位置(ペナルティーエリアラインとゴールラインの交点)まで移動を完了しているので、副審のファウルサポートがあった(あるいは副審もファウルが行われたという意見だった)と思われます。(あくまで推測)



私自身は、このPKには伏線があったと思っています。



それは前半24分の出来事。(FC2はGIF動画のサイズが2メガまでという制約があるので分割して載せます。)

samurai_2015_10_08_002.gif

岡崎選手は、ペナルティーエリア内で後ろから押されてバランスを崩して倒れますが、(ファウルされたことをアピールすることなく)すぐに立ちあがってプレーを続けます。しかし、「日本代表にPKを与えなければならないほどのファウルではない」という判断ということでもないのでしょうけれど、イルマトフ主審はノーファウルの判定。



samurai_2015_10_08_003.gif

すぐに立ちあがってボールをキープした岡崎選手が、ペナルティーエリアを出たところで、再び後ろからの接触を受けて倒されますが、ファウルの内容としては先のものとほぼ同じなので、やはりファウル認定はされません。(ま、ボールもフリーな状況で原口選手が受け取れているので、コールはないもののアドバンテージが適用されている感じもします。)



このとき、岡崎選手はレフェリーに対し、主審のファウル基準に関しては一切文句を言っていません。(プレーが切れたあとでまでは確認できていませんが。)



たまに、ちょっと押されたり接触されたくらいで大げさに倒れて「ファウルされた!」とアピールする選手がいますが、それを全くしていない。



なので、イルマトフ主審には、岡崎選手は「少々のファウルを受けてもレフェリーにアピールすることなくすぐに起き上がってプレーを続けようとするタフな選手。」という印象が刷り込まれたハズ。(もちろん岡崎選手はワールドクラスの選手なので、いろんなところから事前に情報を得ている可能性もありますが。)



そんな選手が、派手にペナルティーエリア内で倒れてボールを失ったらなら、「(追いつけなくてよく確認できなかったけど)なにかあったハズ。副審どう?」って思ってもらえるよねぇ。



そう思ってもらえた時点で、ほぼ岡崎選手の作戦勝ち。(岡崎選手がそこまで考えてプレーしていたかどうかは分りませんが。)



選手の皆さん、試合の序盤からあんまりレフェリーのファウル基準に対して文句を言わない方が良いと思いますよ~。試合の後半、レフェリーが判断を迷うような微妙なプレーとなった時に、文句を言っておいたほうが得なのか、文句を言わずにいたほうが得なのか、この岡崎選手の例を見て、ぜひよ~くお考えになってみてくださいな。




GIF化させていただいた元の映像はこちら。




※正常なチャージング・・・

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

相手競技者をチャージする

チャージングとは、スペースを確保するべく、ボールがプレーできる範囲内で、腕やひじを用いず、身体的接触を用いて挑むことである。
次の方法で相手競技者をチャージすることは、反則である。
●不用意な方法で
●無謀な方法で
●過剰な力で




つまり、ボールがプレーできる範囲にない場合、たとえ腕やひじを用いていなくても相手競技者にチャージすると反則となってしまいます。


また、ボールがプレーできる範囲内で、腕やひじを用いずにチャージしてもそのチャージの仕方(強さ)が不用意な(※※)ものであると主審に判断されても、ファウルとなってしまいます。



※※不用意な・・・


競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

不用意な、無謀な、過剰な力で

〝不用意な〟とは、競技者が相手に挑むとき注意や配慮が欠けていると判断される、または慎重さを欠いてプレーを行うことである。
●ファウルが不用意であると判断された場合、懲戒の罰則を追加する必要はない。

〝無謀な〟とは、競技者が、相手競技者が危険にさらされていることをまったく無視して、または結果的に危険となるプレーを行うことである。
●無謀な方法でプレーした競技者は、警告されなければならない。

〝過剰な力で〟とは、競技者がはるかに必要以上の力を用いて相手競技者を負傷の危険にさらすことである。
●過剰な力を用いた競技者には、退場が命じられなければならない。





これらを踏まえた上で、今一度、最初のGIF動画をどうぞ。

samurai_2015_10_08_001.gif


(追記。

かつーさんのところでもシリア戦の記事がUPされてました。
2018W杯アジア2次予選 シリア対日本
読み比べてみられると面白いと思います。

GIF化している元動画が一緒だし、やっぱしニッカンの記事にも触れられてます。)




サッカー競技規則〈2015/2016〉
日本サッカー協会審判委員会
日本サッカー協会
売り上げランキング: 403,778


↑ 書店版の競技規則2015/2016。審判員資格をお持ちでなく、冊子が欲しい方はこちらをどうぞ。審判員資格をお持ちの方は、既に協会から郵送されているものと同じです。(今年度資格を取得された方を除く)


 
にほんブログ村 サッカーブログ サッカー審判へ ← すみませんが、クリックのご協力を。
  

☆このブログの上手(?)な使い方

少年団を含むサッカーチームのホームページ管理者の方へ
⇒ブログ右側に「チーム・リンク!!」の欄を作りました。こちらの記事に、申請の方法を掲載させていただきましたので、ぜひどうぞ。 

★競技規則に関する知識を増やしたい方
⇒ブログ右のサイドバーにある「まとめ系記事集」の中にある、各年度ごとの◆競技規則系の過去記事をご覧になると、効率的です。また、米国サッカー協会の Referee Week in Review を元に作成している記事集も、将来2級以上の審判員になることを目指される方にはお薦めです。   

審判グッズをお探しの方   
⇒別館 「サッカーの審判グッズを紹介するページ」 をぜひどうぞご利用ください。 

★私が指導のお手伝いをしている団の保護者の方
⇒ブログ右上のカレンダーの部分を利用してください。私が指導を担当した日をクリックしていただくと、その日の練習内容などが表示されます。練習終了後、できるだけ早く記事をUPするようにしていますが、都合によりUPが深夜になってしまう場合もありますので、ご了承ください。


にほんブログ村 サッカーブログへにほんブログ村 サッカーブログ ジュニアユース・中学サッカーへにほんブログ村 サッカーブログ 少年サッカーへにほんブログ村 サッカーブログ サッカー審判へ
どのバナーでも結構ですので、1日1回のご協力をお願いいたします。


← よろしければこちらのクリックのご協力も。


ブログパーツ

スポンサーサイト

☆ 関連するタグ ☆

コメント
コメント
この試合の基準であれば、私はノーファールでも良かったと思います。
主審は球際のプレーや、フィジカルコンタクトに対してはある程度許していて、手の不正使用に関しては、許さない傾向にあったと思います。
そういう観点で見てみると、このPKは、とらなくてもよかったのかなー?とは思いますがどうでしょうか?
2015/10/10(土) 17:17:00 | URL | Mickey #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし

Mickey さん、はじめまして&コメントありがとうございます。

> 主審は球際のプレーや、フィジカルコンタクトに対してはある程度許していて、手の不正使用に関しては、許さない傾向にあったと思います。

あと、浮き玉に対する優先権のない選手の相手選手への接触は、かなり厳しくファウルを認定していたように感じます。

> そういう観点で見てみると、このPKは、とらなくてもよかったのかなー?とは思いますがどうでしょうか?

最初、ライブ映像(ホームスタンド上段カメラの映像)を見たときは、ファウルチャージじゃないか?という印象を受けたのですが、ゴール裏からの映像のリプレイ映像を見ると、「ん?これファウルか?ほぼ真横からの正当なチャージのような気もするなぁ・・・」という印象でした。

ということで、見る角度によって印象が変わる微妙なプレーだったので、記事本文のような書き方にしています。(ま、近い位置でプレーを監視していた審判団の判断を尊重するというスタンスです。)


2015/10/11(日) 00:22:07 | URL | tom3 #JU5/Lso2 [ 編集 ]
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
http://tom3kyu.blog.fc2.com/tb.php/2190-55bd2f2c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック