3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
乱暴な行為のサンプル(その5)(2016 J2 第18節 千葉 vs 東京)

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2016明治安田生命J2リーグ 第18節 退場に伴う平本 一樹選手(東京V)の出場停止処分について

【処分理由】
2016年6月12日(日)2016明治安田生命J2リーグ 第18節(ジェフユナイテッド千葉 vs 東京ヴェルディ)の試合において平本 一樹選手は主審より退場を命じられた。(公財)日本サッカー協会 競技および競技会における懲罰基準に照らして審議した結果、同選手は背後から相手選手に対して過剰な力でチャージした行為は、「乱暴な行為」に該当すると判断、1試合の出場停止処分とする。






ボールがゴールラインを超えて、アウトオブプレーになっているので、「著しく不正なファウルプレー」ではなく、「乱暴な行為」の適用となります。



競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

乱暴な行為

競技者がボールに挑んでいないとき、相手競技者に対して過剰な力や粗暴な行為を加えた場合、乱暴な行為を犯したことになる。
(中略)
乱暴な行為は、ボールがインプレーであるとないとにかかわらず、フィールド内またはフィールドの境界線の外側のいずれでも起こり得る。
(中略)
乱暴な行為を行った競技者、交代要員、交代して退いた競技者には、退場が命じられなければならない。




ボールを拾おうとしているGK(佐藤選手)に対して、背後から過剰な力でチャージしているので、レッドカードは致し方ありません。実はこの行為には伏線があって、この同点となった得点の前の得点(2点ビハインドの状態からヴェルディーが1点取り返した得点)の際、得点後のボールをめぐって両チームの選手がかなり激しい奪い合いを繰り広げていました。



あとから振り返れば、その時イエローカードを1枚提示していれば、このレッドカードは出さずに済んだかも知れません。主審のやさしさ(?)が裏目に出た、という感じです。



じゃぁ、誰にイエローカードを出すべきだったのか。



以下、私がネット上で確認できる映像を見た限りで、かつ私の個人的な見解です。(いつもの通りコメント欄で議論するつもりはありませんので、あしからず。)

2016_J2_18_007_01.gif
河童戦術 さんのところのブログ上にあった動画をFC2のブログ上で表示させるためにGIF化 させていただきました。許可いただいてないのですが・・・。)



この映像を見る限り、GK(佐藤選手)が先にボールを手中に収めているものと思われます。この時点で、東京ヴェルディの選手がボールを奪いに行くことはできません。なぜならボールを奪い合うという対立を引き起こすことになるので。



私なら、最終的に佐藤選手からボールを強引に奪い取った東京V15番(ウェズレイ選手)にイエローカードを提示したんじゃないかなぁ、と思います。



では、東京ヴェルディ側は、どう対応すべきだったのか。



GKを含む失点した守備側チームの選手がゴール内のボールに触れる気配がなければ、自分たちでボールを拾い上げてセンターサークルに運んでかまいません。しかし守備側チームの選手がボールに触れた場合、すみやかに自陣側に戻ってボールがセンターサークル内に運ばれてくるのを全員がしっかり自陣側に戻った状態で待つべきでした。



ボールを手にした守備側(失点側)チームが、得点が同点または上回っている状態で意図的にボールを途中で滞留させた場合、主審は「遅延行為」で警告することを検討しなければなりません。ですので、主審に対して「早く(試合を)再開させて(ください)ね。」とお願いする程度は問題ないでしょう。(「早く再開させろよ!」と言うのは「RESPECT」の観点から、望ましくない言動となります。)



そもそも、得点後に相手チームの選手がボールを保持しているところにボールを奪いに行って相手がボールを手放さなければ、かえって再開を遅らせることになるのです。



今回のケースに対して、「GK(佐藤選手)の行為は『遅延行為』だ」という意見の方もいらっしゃるとは思いますが、その佐藤選手の遅延行為の手助けしているのがヴェルディの選手たちという状態になっているのです。



東京V15番(ウェズレイ選手)が、GK(佐藤選手)からボールを奪ってセンターサークルまで大急ぎで戻っていますが、ボールだけが戻っても試合は再開されません。まだゴール内にいた東京V25番(平本選手)や東京V17番(ドウグラス選手)が自陣内に戻らない限り、試合は再開されないのです。



どなたか、今回のウェズレイ選手がボールを運んだケースで「得点後から試合再開のキックオフまでに要した時間」と「勝っているチームが得点後のボールをセンターサークルまで運んで再開となったケースの得点後から試合再開キックオフまでに要した時間の平均値」の比較を検証してくれないかなぁ・・・。



さて、競技規則の遅延行為の部分の確認をしておきましょう。

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

プレーの再開を遅らせる

主審は、次のような策略でプレーの再開を遅らせる競技者を警告しなければならない。
●主審にやり直しを命じさせる目的だけで、間違った場所からフリーキックを行う。
●スローインを行おうとしたが急に味方競技者の1 人にスローインを任せる。
●主審がプレーを停止したのちボールを遠くへける、またボールを手で持ち去る。
●スローインまたはフリーキックを行うことを過度に遅らせる。
●交代が行われるとき、フィールドから離れることを遅らせる。
●主審がプレーを停止後、意図的にボールに触れて対立を引き起こす。




残念ながら、今回のケースにぴったり当てはまる条文はありません。



なので、競技規則 第18条 コモンセンス 発動です。(ドラッグすると隠れている文字が見えます。)

競技規則は試合中に起こるすべての事象を網羅していません。書かれていない事象に対しては、良識ある判断をすることが主審に求められています。それが、実際には明文化されていない「競技規則 第18条」なのです。



競技規則 第18条 コモンセンス に照らすと、
●主審がプレーを停止後、意図的にボールに触れて対立を引き起こす。
という文章を、
「アウトオブプレー中(たとえば得点後、センターサークルにボールを戻そうとしている)相手競技者に対し、意図的にボールに触れて対立を引き起こす。」
と読み替えることができると思います。



なので、私ならウェズレイ選手を警告したかな、と。



ただ先にも書いたとおり、警告せずに(したかどうかは不明ですが)「厳重注意」で済ませるのも間違いではないと思います。しかしながら、今回の場合は結果として「退場」につながってしまっているので、「やっぱり厳重注意で済ませずに警告しておくべきだったんじゃないか」という気がします。



余談ですが、INUUNITED さんのブログ上で私のブログの過去記事を引用して紹介してくださっているようなので、お返しのリンクを貼っておきます。
【イ云言兑】2016年J2第18節 ジェフユナイテッド千葉対東京ヴェルディ レポートまとめ



この試合の公式試合データはこちら。
2016 J2 第18節 千葉 vs 東京


上記GIF動画の元になっている スカパー!Jリーグ[公式] アカウントのハイライト映像はこちら。




この試合、もう少し掘り下げたいところがあるので、別記事にします。お楽しみに。



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「プレーの再開を遅らせる(遅延行為)とは」  



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