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昨日の記事では、競技規則 2016/2017 質問と回答(16.07.15) の第8条の部分に関して紹介をしました。
競技規則 2016/2017 質問と回答(16.07.15) には、第9条に関する記述はありませんので、本日は第10条の部分に関しての紹介です。
第 10 条 試合結果の決定
Q1: ペナルティーマークからのキックでどちらのゴールを使用するか決めるとき、主審がコイントスで決定しなければならないと規則で明記されるようになったのはなぜか?
特に一方のエンドには一方のチームのサポーター集団がおり、反対のエンドには相手チームのサポーターたちがいる場合、どちらのゴールを選ぶか主審が決定するのは簡単ではない。他に考慮すべきこと(安全、グラウンド状態また太陽の向きや風の方向など)がなければ、コイントスが最も「公正・公平(フェア)」な方法である。
Q2: 試合開始時だけでなく、ペナルティーマークからのキックを行う間も、両チームの競技者が同数でなければならないのはなぜか?
一方のチームの競技者が 10 人で他方のチームの競技者が 11 人だった場合、ペナルティーマークからのキックが 11 本目まで進めば 10 人のチームに有利となる。なぜなら、10 人のチームは最もうまいキッカーに 2 本目のキックをけらせることができるのに対し、11 人のチームは(最も苦手な)11 人目競技者がけることになる。
この原則は、これまでペナルティーマークからのキックの開始前にのみ適用されていたが、ペナルティーマークからのキックが終わるまで引き続き適用する方が理にかなっている。チームが負傷や病気により競技者を減らす場合や、競技者が退場になった場合も適用する。
Q3: ペナルティーマークからのキックを行っている間に人数を減ずる場合、既にキックを終えた競技者を減じることはできるか?
できる。
Q4: ペナルティーマークからのキックを開始する前、なぜ主審はキッカーの順番や背番号を知る必要がないのか?
競技者がキックを行う順番は、チームにとっての戦術的な責任である。主審の責任は、チームのメンバー全員が 1 本目のキックを終えるまで、どの競技者も 2 本目をけることがないようにすることである。
Q5: 負傷によりフィールドを退き、試合終了の笛が吹かれた際に治療を受けていた競技者は、ペナルティーマークからのキックに参加できるか?
参加できる。正当な理由(負傷、用具の交換など)で一時的にフィールドを離れていた競技者は、ペナルティーマークからのキックに参加することを認められる。ただし、試合終了の笛が鳴った後に選手交代を行うことはできない。
Q6: ペナルティーマークからのキックが完了し、得点が認められない状況になるのはどのようなタイミング(状況)になった時か?
ペナルティーマークからのキックは、ボールの動きが止まった(ゴールキーパーが保持した場合を含む)、ボールがアウトオブプレーになる、またはキッカーが反則を犯したときに終了となる。
ゴールキーパーがボールをセーブしかけたが、依然としてボールがゴールに向かって動き続けている場合は、ボールはまだ「インプレー」である。
Q7: ペナルティーマークからのキックが開始する前、また、開始された後、ゴールキーパーの交代はいつ行えるか、また、誰と交代できるか?
ゴールキーパーの交代はいつでも行うことができる。キックに参加することができる競技者、交代要員(チームが交代の最大人数を使用していない場合)、または、ペナルティーマークからのキックで両チームの競技者数を等しくするため除外された競技者のうち一人と交代できる。
Q8: ペナルティーマークからのキックを行っている間に競技者がフィールドから出ることを希望した場合、主審はどうすべきか?
キックを遅らせることなく、キックの順番までに(チームの残りの競技者全員がキックを終えるときまでに)復帰するよう、その競技者に注意しなければならない。これが守られない場合、その競技者のキックは無効(得点なし)として記録される。
これは、競技者が不正な理由によりフィールドを離れる恐れがあるためである。その理由として、監督から戦術的な指示を受ける、キックを遅らせて相手競技者にプレッシャーを与える、さらには八百長の関与などがあげられる。
Q9: 第 3 条 Q1 に 1 チームが 7 人未満になると試合を開始または継続できないと規定されているが、これは「ペナルティーマークからのキック」にも適用されるか?
適用されない。
Q10: ペナルティーマークからのキックで、キッカーが不正なフェイントをした場合、主審はどうすべきか?
キッカーを警告する。キックの結果にかかわらず、そのキックは無効(得点なし)と記録する。
Q11: ペナルティーマークからのキックを開始する前、主審はどのようにキックを行うゴールを決定するのか。
その他に考慮すべきこと(例えば、フィールドの状態、安全面など)がない限り、両キャプテンの前でコインのどちらかの側を右側、その逆側を左側のゴールであることを示し、コインをトスしゴールを決定しなければならない。
EURO2016 の準決勝では、トスに勝ったチームのキャプテンに PK 方式を実施するゴールを確認していたが、この対応は誤ったものであった。この規定は、“公正・公平なプレー(フェアプレー)”の精神を確保するために導入されたものである。しかしながら、フィールドの状態や安全面に問題がない場合でも、競技会規程に規定されている場合などには、コイントスを行わずに PK 方式を実施するゴールを決めることもできる。
Q6 が意味しているのは、下のようなケースですね。(過去記事で紹介済の映像です。)
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☆ 関連記事 ☆
「ペナルティーマークからのキック(PK戦)のキックが終わるタイミング(再掲示)」

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いつもお世話になっております。
ペナルティーマークからのキックについて、質問です。
Q10: ペナルティーマークからのキックで、キッカーが不正なフェイントをした場合、主審はどうすべきか?
キッカーを警告する。キックの結果にかかわらず、そのキックは無効(得点なし)と記録する。
とありますが、GKが、キックの前に動き、ゴールにならなかった場合、PKでは、GKにイエローカードになりますが、こちらは、適用されますか?規則に記載はありますか?
宜しくお願いします。
審判勉強中 さん、コメントありがとうございます。
> GKが、キックの前に動き、ゴールにならなかった場合、PKでは、GKにイエローカードになりますが、こちらは、適用されますか?規則に記載はありますか?
適用されます。競技規則の第10条に、
ペナルティーマークからのキックにも適用されること、
退場となったGKの代わりをどうするのか、ということ
などが明記されていますので、ぜひ第10条の全文をご確認ください。
規則第10条
「試合後にペナルティーマークからのキックが行われるときも、他に規定されていない限り、競技規則の関係諸条項適用される」
「退場となったGKの代わりを資格のある競技者がつとめなければならない」というところですね。
あと、規則を読んでいて疑問が・・
第10条 得点
「ボールが完全にゴールラインを超える前に主審がゴールの合図をした場合は、プレーはドロップボールによって再開される」 とはどういうことですか?
たびたびすみませんが教えていただけますか。よろしくお願いいたします。
> 「ボールが完全にゴールラインを超える前に主審がゴールの合図をした場合は、プレーはドロップボールによって再開される」 とはどういうことですか?
ボールがゴールラインを超えていないのに、超えたと思ってゴールをコールをしたが、副審から「実際にはボールがゴールラインを超えていなかったと」という助言があり、その助言を採用することになったシーンを想定していると思います。
その場合、「(誤った)ゴールのコール」というのは、「誤って笛を吹いてプレーを止めてしまった」のと同じ状態であるから、ドロップボールで再開しなさい、ということですね。
当然、ドロップボールは、ゴールラインに平行なゴールエリアラインの境界線上(まで移動して)からとなります。
今一度教えてほしいのですが、
「ペナルティーマークからのキック」でドロップボールというのはあり得るのですか?
すみません、お願いします。
> 「ペナルティーマークからのキック」でドロップボールというのはあり得るのですか?
> すみません、お願いします。
競技規則の第6条において、ペナルティーキック時(ペナルティーマークからのキックを含む)に、ボールがゴールラインを超えたかどうかに関しては副審が判定し主審に合図すると定められているため、ドロップボールにはなり得ません。
第10条試合結果の決定
得点についての記載なんですね、ペナルティーマークからのキックについての条項かと思っていました。
すっきりしました。
> 第10条試合結果の決定
> 得点についての記載なんですね、ペナルティーマークからのキックについての条項かと思っていました。
> すっきりしました。
第10条のタイトルは昨年まで「得点の方法」というものでした。昨年までは「その他」としてどの章にも含まれていなかった、PK戦に関する記述などが統合されて第10条に含まれる形になったので、「試合結果の決定」というようなタイトルになりましたが、これまでの「得点」に関する部分も含まれています。