日本代表 vs チェコ代表の試合の主審は、マーティン・アトキンソン(Martin Atkinson)氏。ハワード・ウェブ氏と同じく、イングランドの主審。
TBSアナウンサーの放送の中での紹介によると、UEFAチャンピョンズリーグ2011の準々決勝「インテル(長友選手所属) vs シャルケ(内田選手所属)」の試合を裁いた方らしいです。
ネットで調べてみたら、日本の「天皇杯」のモデルとなっているというイングランドの由緒ある「FAカップ」の2011年度の決勝の主審も務められた方のようです。
日本代表 vs チェコ代表 戦のマッチレポートは、こちら。
http://www.jfa.or.jp/national_team/match/2011/2011kcs/schedule_result/pdf/m03.pdf
では、試合放送を見た感想など。
ファウルの笛が鳴って、リプレイ映像でしっかり確認しようと思って待っているのだけれど、そのファウルのリプレイ映像が流れない、ということが今日の放送では非常に多かった。
だんだん、ストレスが溜まる。
前半の途中くらいからは、ファウルのリプレイ映像が増えてきたのでストレスは解消しつつあったのだけど、後半に入ってまたファウルのリプレイ映像が流れない。(イエローカードが出たプレーも別角度からのリプレイ映像が出ない。)
先週のテレビ朝日の時には、そんな感じはしなかったのだけれど、今日のTBSの編集というかカメラ割り(?)にはちょっと不満。
日本代表の試合を単純に楽しむという方には問題がなかったと思いますが、審判の動向にも注意を払って見ていた人にとっては、ストレスが溜まるものだったような気がします。
「別角度からのリプレイ映像を出して(映して)くれ!」と、何度も叫んでしまいそうになりました。
主審のマーティン・アトキンソン氏の動きなどについて。
バックステップ、サイドステップが軽やかな感じ。ジャッジもほぼ公平だったと思う。今日のマーティン・アトキンソン氏は、先日のウェブ氏に比べるとファウルの基準が少し甘い(緩い)ような気がしたのは、私だけかなぁ・・・。
特に前半10分付近の日本のフリーキックのあとしばらく、両チームとも「手」の使い方が粗いシーンが多かったのに、笛もアドバンテージのコールも何にもないなぁ。と思ったのが率直な感想。
ま、その試合の中で、主審の基準がブレなければ別に問題はない話ではあるのだけれど、試合が荒れださないかなぁ、と少し心配に。(結果的には、それほど荒れなかったので、杞憂でしたが。)
笛は、ウェブ氏とは逆で、右手首に固定する方法のようでした。
直接ゴールを狙える位置からのフリーキックで、壁を操作する際は、ウェブ氏もそうでしたが、歩測はボールに背を向けて行なっていました。
テレビ放映される試合で、主審の目を盗んでボールの位置を前に移動させるような選手はあまりいないので、問題はないのでしょうけど、我々3級以下の審判が担当する試合では、歩測は原則「ボールを見ながら後進で」のほうが良いと思われます。(詳しくは、こちらの記事を参照。)
マーティン・アトキンソン氏について、youtube 上で見つけた映像を紹介しておきます。
テレビのインタビューを録画したものと思われます。(FAカップ決勝の前のインタビュー?)
YouTube: Martin Atkinson - FA Cup Final referee | FA Cup final - Manchester City vs Stoke 14-05-11
ネイティブの英国人の方が話しているのを、ヒントなしで正しく聞き取る能力は私にはありません。誤訳してしまいそう・・・。というか、誤訳以前に、単語が認識できない・・・。従って、映像の中のお話については、記事にできません。あしからず。
将来国際審判員を目指す方は、この映像でぜひヒアリングの練習を。くれぐれもコメント欄に上記の映像中でアトキンソン氏が話している内容に関するご質問は、ご遠慮ください。ご質問をいただいても、お答えできません!
上記の映像の他にも、アトキンソン氏のジャッジに不満を持った人によってUPされたと思われる映像が youtube 上にありましたが、この記事の中で紹介するのはやめておきます。
さて、最後にチェコ戦で出された4枚のイエローカードの確認だけしておきます。今回は、すべてチェコ代表側の選手に出されたもので、理由も全て「反スポーツ的行為に対する警告」でした。
35分の、T.シボク選手の岡崎選手に対するプレーは、パスが通っていれば、大きなチャンスになっていた筈なので、
●戦術的な目的で、相手競技者に干渉する、また大きなチャンスとなる攻撃の芽を摘むファウルを犯す。
もしくは
●相手競技者を抑えて、戦術的な目的で、ボールから遠ざける、またはボールに向かうのを妨げる。
に該当するという理由だと思います。
37分の、R.フブニク選手の伊野波選手に対するプレーは、ボールをコントロールし終えた伊野波選手に対して無謀に突っ込んで伊野波選手の足を蹴った、いわゆる「アフターのファウルが無謀に行われた」という理由ですね。
競技規則の文章としては、
●直接フリーキックとなる7項目の反則を無謀に行う。
に該当します。
40分の、D.コラージ選手の本田選手に対するプレーは、本田選手から李選手にパスが通っていれば、大きなチャンスになったかもしれないので、
●戦術的な目的で、相手競技者に干渉する、また大きなチャンスとなる攻撃の芽を摘むファウルを犯す。
かもしれませんが、チェコの3人の選手が李選手の動きに対応していたので、李選手にパスが通ったところでの反則であれば、大きなチャンスとなる攻撃の芽を摘むファウルと言えると思いますが、本田選手に対するファウルも大きなチャンスとなる攻撃の芽を摘むファウルと判断したのかどうか。むしろ、
●直接フリーキックとなる7項目の反則を無謀に行う。
のほうで、「反スポ」をとったような気がします。恐らく明らかにボールを触るために足を出したのではなく、本田選手の足を引っ掛けるために出した足という判断のような気がします。
このシーンのリプレイ映像が全く放映されなかったので、なんとも言えないです。(「引き」の映像でどんなにスロー再生してみても、よく見えません。涙。)
90+3分のP.ヤンダ選手の李選手に対するプレーも、リプレイ映像が一切再生されなかったので、判別が難しいのですが、
●戦術的な目的で、相手競技者に干渉する、また大きなチャンスとなる攻撃の芽を摘むファウルを犯す。
かなぁ、という感じです。
JリーグのようにC1(反スポ)とC2(ラフプレー)の区別があると、主審がどっちの判断をしたのかがわかるのですけどねぇ・・・。
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