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3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
フェルナンド・トーレス選手が間違えたルール



鳥栖のフェルナンド・トーレス選手が来日初の警告を受けたことで、2016年度に行われたルール改正が少し話題になりました。



オフサイドの反則が起きた時に、再開場所がそれまでのルールの再開場所と少しずれるケースが出てきました。IFAB(国際サッカー評議会)に言わせると、ルールが変わったのではなく、ルールが正しく解釈されていなかったので、正しく解釈されるように条文を見直した、ということなのですが。(詳しくは後述。)




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我々アマチュア審判員の間でも、「選手から絶対、『オフサイドの反則は相手陣地内での待ち伏せ行為に対する反則だろ、なのになんで相手陣地からではなくて自陣地側から相手チームのフリーキックになるんだよっ(怒)。』 って言われるよね。」と、改正後しばらくは、よく試合前の打合せ時などの際に話題になりました。



ニュース記事などでは、簡単に「改正された」程度の説明しかなされていませんが、審判員のブログですので、もう少し掘り下げておこうと思います。



まず、2015/2016年度までの文章。


競技規則 2015/2016 第11条 オフサイド

違反と罰則
オフサイドの反則があった場合、主審は 違反の起きた場所から行う間接フリーキックを相手チームに与える。

Infringements and sanctions
In the event of an offside offence, the referee awards an indirect free kick to the opposing team to be taken from the place where the infringement occurred.


上が、当時の競技規則本文。下が、「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」に記載されていた文章。

競技規則 ガイドライン 2015/2016 第11条 オフサイド

違反
オフサイドの反則が起きたとき、主審は、味方競技者の1人が、オフサイドの反則を犯した競技者に対して最後にボールをプレーしたときに、オフサイドの反則を犯した競技者がいた場所から行われる間接フリーキックを与える。

Infringements
When an offside offence occurs, the referee awards an indirect free kick to be taken from the position of the offending player when the ball was last played to him by one of his team-mates.




これらの文章を読む限り、「(オフサイドポジションにいた競技者の)味方競技者が、オフサイドの反則を犯した競技者に対して最後にポールをプレーした(=ラストパスを出した)ときに、オフサイドの反則を犯した競技者がいた(=ラストパスを受け取った場所ではなくあくまでラストパスが出た時にいた)場所から行われる間接フリーキック」で再開しなさい、というニュアンスで書かれています。



では、2016/2017年度版になってどのように変更になったか、というと(2018/2019 年度版でも同じ文章ですので、2018/2019年度版の文章を掲載しておきます。)



競技規則 2018/2019 第11条 オフサイド

4.反則と罰則
オフサイドの反則があった場合、主審は、その競技者のハーフであっても、反則が起きたところから行われる間接フリーキックを与える。

4. Offences and sanctions
If an offside offence occurs, the referee awards an indirect free kick where the offence occurred, including if it is in the player’s own half of the field of play.




つまり、「オフサイドの反則があった場合、主審は、(オフサイドポジションにいた競技者がボールに触れたことでオフサイドの反則が確定した場合、ボールに触れた場所が)その競技者のハーフ(=自陣側)であっても、反則が起きたところから行われる間接フリーキックを与える。」という文章になりました。



この変更に対して、IFAB(国際サッカー評議会)は、

これまでの条文と解釈は矛盾していた。競技規則全般にわたる基本原則としてフリーキックは反則が起きた場所で与えられるため、オフサイドにもそれは適用される。競技者が相手競技者のハーフ 内のオフサイドポジションから自分のハーフ内に移動してオフサイドの反則を犯した場合、フリー キックは競技者のハーフ内で与えることができる。

The Law and the interpretation were contradictory. Throughout the Laws, the general principle is that a FK is awarded where an offence occurs so this now applies to offside. A FK can be awarded in a player’s own half if the player moves from an offside position in the opponents’ half to commit an offside offence in the player’s own half.


という説明を、2016/2017 年度版の競技規則の
「すべての改正点の詳細」という項目の中に掲載しています。



ということで、現行のルールでは、味方競技者がパスを出したタイミングでオフサイドポジション(相手陣地内)から自陣側に戻ってそのパスを受け取ってオフサイドの反則となった場合、2016年度の改正後からは、自陣内から相手チームによる間接フリーキックでの再開となってしまいますので、注意が必要です。



ですので、極端な例ですが、GKがパントキックした瞬間に相手陣地内でしかもオフサイドポジションにいた選手が、強烈な風で自陣ペナルティーエリア内まで押し戻されたパントキックのボールに対し、猛ダッシュで駆け寄って他の競技者が触れる前に触れてしまうと、自陣ペナルティーエリア内から行う相手チームの間接フリーキックでの再開となることも理論上はあり得ます。



知らなかった方は、これを機会に、このオフサイドの再開場所の変更についてちょっと覚えておいてください。ただし、現場では主審の指示する場所から再開してくださいませ。「自分のほうが正しい。ルール知ってんのか~!」な~んて主審に詰め寄ったところで、何の得にもなりませんので。



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この際副審はどこでフラッグアップするのでしょうか?
オフサイドした選手を追いかけセンターラインを超えて担当外コート側で判定 フラッグアップでしょうか?
ご教示下さい。
2018/09/04(火) 12:50:58 | URL | yt #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし

yt さん、はじめまして&コメントありがとうございます。

> この際副審はどこでフラッグアップするのでしょうか?
> オフサイドした選手を追いかけセンターラインを超えて担当外コート側で判定 フラッグアップでしょうか?

戻りオフサイドの場合、オフサイドライン・キープをしている場所でのフラグアップとなります。自分が担当しているエンド側の選手(守備側選手)のゴールラインから数えて2人めの選手の真横でフラグアップとなります。もし、2人目の選手が相手陣地内に到達しているのであれば、その瞬間オフサイドラインはハーフウェーラインとなりますので、ハーフウェーライン上でフラグアップすることになります。

自陣側(担当していないエンド側)に戻ったオフサイドであっても、ハーフウェーラインを越えた場所でフラグアップすることはありません。

(というのも、もし反対側に入り込んでフラグアップの動作をし、再開となった直後に攻守が切り替わった場合に、オフサイドラインに就けていないことで、オフサイドを正しく判定できなかった、というような事態に陥ることのないようにしなければなりませんので。)

自陣側に戻ったオフサイドの場合の「主審への再開場所の通知」に関しては、フラグアップしている右手で競技規則通りの「フィールドの遠い位置、中央、近い位置」を示しながら、かつ、左手でおおよそのエリアを指さして示す、というようなことをあらかじめ試合前の打合せ時に確認しておくことが多いです。(おおよそのエリアを指す前に、「戻りオフサイド」であることを、やはり左手でシークレット的に示すこともあります。)


2018/09/05(水) 00:33:13 | URL | tom3 #JU5/Lso2 [ 編集 ]
ありがとうございます!
よく分かりました。
これからも拝見させて頂きます。
2018/09/05(水) 00:53:39 | URL | yt #- [ 編集 ]
検証依頼9月1日札幌vs神戸
こんにちは。
競技規則というよりは、主審のマネジメントに関する事になると思います。
この試合の81分くらいに、神戸のファウルかあり、札幌がフリーキックを得ます。
(ダゾーンを見る限りでは)池内主審は、ファウル判定後、バニシングスプレーを使い、ボールの位置に、次に10ヤードに印を付けます。
10ヤードにスプレーをかけた後、ボールの左後ろ側辺りにポジショニングを取って、間もなく、開始の笛を吹きます。
(主審都合で考えたら、10ヤードにスプレーして、バックで歩きながらポジショニングをとって笛を吹くまで約10秒でしたので、そんなに急いで吹く必要はないようにも思いました。)

そして、ゴールが決まります。

これが、神戸側にとっては、不意打ちの笛だったらしく(?)、ゴール後に主審に抗議します。

ハイライトを見る限りは、特に競技規則上問題は無いとは思うのですが、札幌の2人の選手が相手ゴール横で飲水してるにも関わらず、笛を吹いたのがいかがなものかとは感じました。われわれクラスなら、フィールドに戻るのを待つかまたは促すかしてから、(私なら)「笛が鳴ったら始めまーす」と言ってから再開するのですが…(池内さんには飲水の2人には気づいてたのでしょうか…)
ハイライトだけでは、細かく検証が難しいかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

もうひとつ、47分神戸ボドルスキが、足裏での危険なスライディングで一発退場をしてます。
神戸からみたら、一見厳しい判定にも感じますが、回避してないようにも見えたので、仕方ないのでしょうか。
合わせて検証していただけたら、ありがたく思います。

長文になりましたが、よろしくお願いします。
2018/09/05(水) 13:29:01 | URL | クロスステップ #- [ 編集 ]
追記
2018/09/05(水) 13:43:12 | URL | クロスステップ #- [ 編集 ]
Re: 検証依頼9月1日札幌vs神戸

クロスステップ さん、いつもコメントありがとうございます。

この試合、レッドカードに関してはオーナーがツイッターに書き込んだり、フリーキックに関してはスポーツニュースなどで取り上げられたりしていていましたので、Jリーグの出場停止処分についてのリリースが出たら、書くつもりで準備を進めていました。
(ですので、ご紹介いただいた映像も既にチェック済で、リンクも下書き記事に取り込み済でした。)

本来であれば、先にプレスリリースで発表となった、J2の決定機阻止の記事を先にUPするのですが、コメントをいただいたので、順番を入れ替えて、9/5付けの記事としてUPしておきますので、そちらをご確認ください。

2018/09/06(木) 00:52:24 | URL | tom3 #JU5/Lso2 [ 編集 ]
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