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3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
オフサイドに関する2009年度に改正された文章に関して
 

 

ほんの少し古いお話を。

  

2009/2010年度版の競技規則をお持ちの方は、P164をご覧ください。

 

2009年度にオフサイドに関係するガイドライン側の文章が、一部改正されています。大きな改正ではなく、どちらかというと言葉が足りなかったところが補足されたような感じです。

 

2008年度までの文章は、

オフサイドの反則が起きたとき、主審は、味方競技者の一人がオフサイドの反則を犯した競技者に対して最後にボールをプレーしたとき、オフサイドの反則を犯した競技者がいた場所から行われる間接フリーキックを与える。

守備側競技者が相手競技者をオフサイドの位置に置くためゴールラインの後方に下がった場合、主審はプレーを続けさせ、ボールが次にアウトオブプレーになったとき主審の承認なくフィールドを離れたことでその守備側競技者を警告しなければならない。 

(後略) 

2009年度からの文章は、

オフサイドの反則が起きたとき、主審は、味方競技者の一人がオフサイドの反則を犯した競技者に対して最後にボールをプレーしたとき、オフサイドの反則を犯した競技者がいた場所から行われる間接フリーキックを与える。

どのような理由があっても、主審の承認なくフィールドを離れた守備側競技者は、オフサイドの判断のため、プレーが次に停止されるまで、自分のゴールラインかタッチライン上にいるものとみなされる。意図的にフィールドを離れた競技者は、ボールが次にアウトオブプレーになったとき警告されなければならない。

(後略) 

 

というように変更になりました。(下線部分が改正された文章です。)

 

この改正について、日本サッカー協会はP165において

「プレーの一環ではあるが守備側競技者がゴールラインの外に出てしまい、フィールド内ではゴールキーパーがゴールラインから1人目の守備側競技者に位置し、その前にいた攻撃側競技者が味方からパスを受け、シュートし、ゴールが認められた事例があった。

フィールド内だけを見てみると、この攻撃側競技者よりゴールライン近くに2人の守備側競技者がいないが、オフサイドかどうかの判断はゴールラインの外に出てしまった競技者を含めて考える必要があるのでオフサイドではなく、この判定は正しいものであった。

この考え方を明確に示すと共に、オフサイドを判断する上、フィールドの外に出てしまった競技者をどのように考えるのか、“競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン”に明記したものである。」

という解説をしています。 

 

誤解を恐れず改正された内容を簡単に書くと、

 

「守備側競技者が主審の許可を得ずにゴールラインからフィールド外に出てしまった場合、その選手がゴールライン上にいるものとしてオフサイドの判定をしましょう。そして、もし、そのフィールド外に出る行為が、相手チームをオフサイドにするためにワザと出たのであれば、今まで通り次のアウトオブプレーのタイミングで、イエローカードで警告しなさい。ワザとじゃなくてプレーの一環などで一時的に出た場合は、カードで警告する必要はないですよ。」

 

ということです。 

 

な~んで、こんな文章に改正されたのか、というと、2008年度までの文章ではオフサイドになるのかオフサイドにならないのかハッキリしないプレーが2008年度に起きたからです。

 

次の映像 ↓ のうちの 


YouTube: Bad refereeing against Italy at 2008 European Cup


(「埋め込みがリクエストにより無効になっています」というメッセージが出ますが、「YouTube で見る」をクリックすれば、別ウィンドウが開き、映像を確認できます。) 

1つめの映像が上記の改正のもとになったプレーです。(恐らくですけど・・・。)

 

1つめの映像の最初のフリーキックのあと、味方のゴールキーパーと交錯した守備側選手がゴールラインを越えたところで倒れています。ゴールラインの外側で倒れている守備側選手は、ゴールライン上に留まっているとみなされるので、今回の場合、ゴールキーパーのいる位置がオフサイドラインとなります。従って、ゴールキーパーの目の前でボールに触れた攻撃側選手は「オンサイド」となり、得点が認められる、という訳です。

 

ちょっとくどいですが、砕けた表現をすると、FIFAは

「いままでの競技規則では、ワザとゴールラインから出た時のことしか書いていなかったけど、今回みたいな場合もあるだろうから、明記しとくね~。ワザとじゃなくても主審の許可を得てフィールドの外に出た訳じゃないから、フィールド内(ゴールライン上)に留まっていることになりますよ~ん。もちろん、ワザとじゃないのでカードの対象にはなりませんけどね~。」

ってことを言いたいのだと思います。

  

ちなみにこのゴールをきちんと認めた主審さんは、このEURO 2008 の決勝の第四審判に任命されていたと思います。 EURO 2008 のレフェリーの舞台裏を追ったドキュメンタリー映画「レフェリー 知られざるサッカーの舞台裏」をご覧いただくと解ります。

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ついでですので、先の youtube のレフェリーの判断の検証をしてみましょう。

 

1つめは、先述の通り、オフサイドではなく得点が認められるプレーなので、審判団の判断は正しいと思われます。

 

2つめのオフサイドの判定ですが、確かにゴール前へのクロスが上げられた瞬間に攻撃側(イタリア)の選手が1名オフサイドポジションと思われる位置にいます。しかし、ゴールを決めたのは「オンサイド」の選手で、「オフサイド」ポジションにいた選手は、ボールにも相手競技者にも干渉しているようには見えないため、ゴールは認められるべきだったように思われます。

 

3つめのPKの判断ですが、攻撃側選手の首のあたりに守備側選手が後方から手をまわして完全に動きを封じようとしているので、ホールディングの反則を取られてPKを宣告されても仕方がない、つまり主審の判定は正しい、と思われます。

 

youtube のタイトルが、Bad refereeing against Italy ・・・ となっていますが、2つめの事例はたしかに bad でしょうけれど、1つめと3つめの事例については批難されるものではないですね。 

  


☆ 関連記事  ☆  ※印はサンプル映像があります

「オフサイド(あくまで審判初心者の方むけの解説です)」

「オフサイドを触るまで待つ理由」 ※

「一見オフサイドに見えて、オフサイドではない例」 ※

「オフサイドの例外」

「オフサイドフラッグは必ず右手で上げなければならない」 

「ゴールキーパーのパントキックは、オフサイドの対象です」

「オフサイドの適用に関する新たな指示(2005年改正)」という通達」

「◆ オフサイドに関するこのブログ内の記事を集めた記事」


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