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3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
アジアカップ日本代表戦(2011.01.25) の2つのPKシーンについて
 

 

ペナルティーキック(以下、PKと表記)を決められて先制したあと、左サイドから崩して追いついてPKで勝ち越し、勝てると思ったら追いつかれて、見ているほうは非常に疲れる試合でした。

 

今日の記事では、この試合中の2つの「PKになったシーン」について、記事にしたいと思います。(ちょっと長めの文章になっています。)

 

くれぐれもお断りしておきますが、以下の文章は、インストラクター資格をもっていない、単なる3級審判員である私の見解です。

 

 

まずは前半22分の今野選手のプレーについて。

 

今野選手自身は、「肩を使った正当なチャージング」である、とアピールしていたようですが、主審は「不用意な方法で相手競技者をチャージすることで、相手競技者の進行を妨げた」ということで、直接フリーキックまたはペナルティーキックとなる反則を犯した、という判断をしたのだと私は思います。

 

言いかえると「進路妨害(オブストラクション)の仕方が強すぎてファウルチャージを取られた」という感想です。

 

ゴール裏からのリプレイ映像で見るとよく判るのですが、今野選手の目線は上空のボールを見て落下点を予測したあと、韓国の7番の選手をチャージングするという意識が強すぎて、自分がボールをプレーするという意識はほとんど感じられません。

 

落下点のポジション取りというには、チャージングが強すぎて進路妨害の要素が非常に強いと判断されたように思われます。

 

これ、普段私が主審を担当する四種(小学生)や三種(中学生)の試合でもたまに見かけるプレーです。いつも正直どうしようかな、と悩みます。ただ、とるとPKになるのでファウルとせず、かなり守備側に甘い基準でみていることが多いのですが・・・。

  

競技規則を確認します。

 

競技規則 第12条 ファウルと不正行為

間接フリーキック

(中略)
競技者が次のことを行ったと主審が判断した場合も、間接フリーキックが相手チームに与えられる。
(中略)
●相手競技者の進行を妨げる
(後略)


 

ガイドライン側で、相手競技者の進行を妨げることについて、もう少し詳しく書かれています。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

相手競技者の進行を妨げる

相手競技者の進行を妨げるとは、ボールが競技者のプレーできる範囲にないとき、相手競技者の進路に入り込み、その進行を妨げる、ブロックする、スピードを落とさせる、進行方向の変更を余儀なくさせることである。

すべての競技者は、フィールド上においてそれぞれ自分のポジションをとることができる。ただ、相手競技者の進路上にいることは、相手の競技者の進路に入り込むこととは同じでない。

体を相手競技者とボールの間に置くことは、許される。戦術的な理由で相手競技者とボールの間に自らを置くことは、ボールがプレーできる範囲にあり、相手競技者を手や体で抑えていない限り、反則ではない。ボールがプレーできる範囲にある場合、その競技者は正しい方法で相手競技者によりチャージされることがある。


 

今野選手のプレーは、ボールがプレーできない状況で、相手競技者の進路を変更させたということですね。

 

ただ進行を妨げただけなら、間接フリーキックによる再開になるのですが、次の部分とも関係してきます。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

相手競技者をチャージする 

チャージングとは、スペースを確保するべく、ボールがプレーできる範囲内で、腕やひじを用いず、身体的接触を用いて挑むことである。 

次の方法で相手競技者をチャージすることは、反則である。
●不用意な方法で
●無謀な方法で
●過剰な力で


 

ボールがプレーできる範囲内であればある程度のチャージができますが、今野選手はボールがプレーできる範囲にない時に「不用意な方法で」チャージしているという主審の判断だと思います。

 

(相手選手にチャージできる権利がない状況で、さらに反則となる「不用意な方法」でチャージしているという違反が重複している状況。なお、「無謀な方法」ならイエローカードで、「過剰な力」ならレッドカードの対象となります。詳しくは「不用意な、無謀な、過剰な力で」の記事参照。)

 

ちなみに現在の競技規則には掲載されていませんが、2006/2007年度版の競技規則のQ&Aには今回のプレーについてきちんと載っています。(現行の競技規則ではありませんが、青文字にしておきます。)

 

競技規則に関する質問と回答(通称:Q&A) 2006

第12条 ファウルと不正行為

Q.24 ボールがプレーできる範囲にない時競技者がチャージされた。主審のとるべき処置は何か?

A.24 主審は相手競技者へのチャージが不用意であると判断した場合、直接フリーキックまたはペナルティーキックを与える。

 

Q.25 競技者が身体を接触させ相手競技者の前進を妨げた。主審のとるべき処置は何か?

A.25 反則した競技者は相手競技者を抑えたことにより直接フリーキックまたはペナルティーキックで罰せられる。


 

間接フリーキックとなるオブストラクション(進路妨害)を、直接フリーキックとなるファウルチャージで行った場合は、より重大な反則のほうの罰則である直接フリーキックで罰せられる、ということですね。

 

今回主審は、上記のQ.24またはQ.25の状況だったという判断をしたのだと思われます。

 

ただ見ているほうとしては、「これでPKを取られるのは厳しいなぁ・・・。まさか公平な基準じゃない審判なのか?」 と勘繰ってしまいそうになりましたが、延長前半6分、やはり韓国の3番の選手が岡崎選手に対して行ったプレーが、同じようなファウルチャージによるオブストラクションでPKとなっているので、主審の基準はブレていない公平なものだったと思われます。

 

なお、上のQ.25にある通り、身体を接触させて相手競技者の前進を妨げることは、競技規則上、「相手競技者を抑える」とみなされます。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

相手競技者を押さえる

手、腕、または体を用いて相手競技者の進行や動きを阻止することは、相手競技者を押さえることである。

(中略)
守備側競技者がペナルティーエリアの外で相手競技者を押さえ、そのままペナルティーエリア内でも押さえていた場合、主審はペナルティーキックを与えなければならない。
(後略)


 

韓国の3番の選手が身体を接触させて岡崎選手の選手の前進を妨げたのは、確かに最初はペナルティーエリアの外側だったが、ペナルティーエリア内に入っても身体を接触させたままだったという副審(A1)の判断を、主審が採用したようです。(最初からペナルティーエリアの中という認識だった可能性もありますが・・・。)

 

当初、主審はペナルティーエリアの外側か内側の判断がつかなかったようで、最初はペナルティーエリアの外を指しています。しかし次の瞬間副審(A1)がペナルティーエリアの中まで継続したファウルであった(またはファウルがペナルティーエリア内で犯された)というサポートをしたようで、PKの合図に変更しています。

 

そして、「よくペナルティーエリアの内側であることを見切ってくれた。グッジョブ!」ということで主審は左手を上げて副審に「GOOD JOB サイン」を送っています。(画面左上の時計で、延長前半5分46秒を表示している時に国際映像で映っていますので、録画していた方は確認してみてください。)

 

といったところが、今日の記事のメインの内容です。 

 

 

ついでに、同じ試合の他に気になったところや感想などについても書いておきます。

 

日本の2点目の本田選手PK時に、細貝選手のペナルティーエリア内の侵入がほんの少しインプレー前のような気がしたので、スロー再生して確認してみたところ、厳密には両チームの選手がインプレー前に侵入しているようです。(両チームの選手が侵入しているので、本来ならPKの結果にかかわらず「やり直し」になりますが・・・。)

  

また、PK戦の韓国の1人目と3人目のキックの際、川島選手がボールが蹴られるよりもほんの少し前のタイミングでゴールラインから離れて前方に動いているように見えますが、見逃してくれています。(キックのやり直しになっていても、文句が言えないプレーだと思います。) 

 

最後に、試合全般を通して主審はしっかり走ってましたね。特に日本の1点目の時は、ゴールライン付近でしっかりボールの真横でゴールを確認していますし、延長後半つまり120分の同点になって、両チームがそれぞれ縦パスを放り込み始めたときも、展開を先読みして、きちんと両ゴールエリアまでしっかり走り込んでいます。

 

ま、いろんな見方があると思いますが、上記が私の率直な感想です。(急いで書き上げたので、後日表現などを含めて文章を訂正する可能性が大いにあります。ご了承ください。)

 


 


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