3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
クイックスタートの邪魔をしたら … 2011 Referee Week in Review - Week 14 (米国サッカー協会) より
 

Referee Week in Review の Week 14 の内容を紹介します。


http://www.ussoccer.com/News/Referee-Programs/2011/06/Referee-Week-in-Review-Week-14.aspx
 

上記のリンクをクリックして表示されるビデオクリップをご確認ください。

☆追記 映像が直接埋め込めることが判明しましたので、上記アドレスの映像を記事に埋め込んでおきます。

  


 

Week 14 では、2つの内容について説明が行われています。
  

1つめが、フリーキック時のクイックスタートを妨害した場合のお話で、2つめがオフザボール(ボールに関係ない場所)で行なわれた行為に対し、副審が主審に助言し、カードが出されたというお話です。
  

まずは、1つめのビデオクリップの内容について。
 

このところ何回も紹介している「フリーキック時の壁の操作 (その2)」の記事に詳しく書いているのですが、クイックスタートが認められる条件が揃っていた場合、主審はクイックスタートを認めてあげなければなりません。
 

クイックスタートを認める条件としては、

①正しい再開位置にボールがセットされ再開される。
②ボールがきちんと静止した状態から再開される。
③元となる反則がカード(イエロー/レッド)提示の対象となるようなプレーではない。

の3つです。 
 

今回のビデオクリップのなかで、ボールがきちんと静止した状態だったといえるかどうかは微妙ですが、ビデオの中の主審はOKという判断のようです。
 

さてイエローカードが出された理由としては、クイックスタートの際、「既定の距離を守らなかった」という理由になります。
 

既定の距離(10ヤード)を離れきっていない守備側選手が、クイックスタートされたボールに対し故意に触れた場合は、「既定の距離を守らない」(反則)となり、イエローカードの対象となります。
 

競技規則 ガイドライン 第13条 フリーキック

距離

(中略)
競技者がフリーキックを素早く行おうとしたところ、ボールの近くにいた相手競技者が意図的にキックを妨害した場合、主審はプレーの再開を遅らせたことでその相手競技者を警告しなければならない。
(後略)

  

今回のシーンでは、「キッカーがボールを完全に静止させてスタートさせているかどうか微妙」だし、「わざとボールをぶつけて、相手選手にイエローカードを喰らわせてやろう」という意図も感じられるのですが、攻撃側チームのフリーキックで再開されることが確定している際、守備側チームの選手がボールの前を横切る行為は、プレーの再開を遅らせる目的やボールに当たって攻撃側チームの速攻を阻害することを期待しているので、カードの対象として問題はないと思います。
 

ただ、守備側選手がボールから離れようとしている最中に偶然ボールがあたった場合は、反則とせず、主審はそのままプレーを継続させます。
 

また、(ファウルの笛が鳴って)ボールに背を向けてボールから離れていこうとしている相手選手に当てた/当たった場合も、そのままプレーを続けさせます。
 

この時、キッカーがわざと相手選手に当てて跳ね返ったボールを自分のものとすることができるのですが、その当て方が「無謀」だったり「過剰な力」を用いていた場合は、カードの対象となります。(記事が長くなるので、その話は明日更新予定の記事で。)
 

競技規則 ガイドライン 第13条 フリーキック

進め方

(中略)
競技者がフリーキックを素早く行って、ボールから9.15m(10ヤード)離れていない相手競技者がキックを妨害することなく、ボールをインターセプトした場合、主審はプレーを続けさせなければならない。

競技者がフリーキックを正しく行い、不用意でも、無謀でも、また過剰な力を用いることなく、意図的にボールを相手に当てて、はね返ったボールを自分のものとした場合、主審はプレーを続けさせなければならない。
(後略)

 

ということで、クイックスタートが行なわれた時に、既定の距離(10ヤード)離れていない相手競技者にボールが当たった場合、その相手競技者が「当たりにいった」のか「当てられた」のかをしっかり見極める必要があります。
 

簡潔にまとめるとするなら、

「クイックスタートが行なわれる際、相手競技者は規定の距離より近い位置にいること自体は反則ではないが、キックを妨害したり、キックされたボールを意図的に触れた時点でイエローカードで罰せられる反則となる。またクイックスタートとならなかった場合は、相手競技者は速やかにボールから既定の距離だけ離れなければならない。」

と覚えておけば良いと思います。
  

ファウルの笛を吹いたら、ボールから目を離さないことが大切です!
 

それから、余談ですが、ガイドラインじゃない競技規則の本文側のフリーキックのところに
 

競技規則 第13条 フリーキック

違反と罰則

フリーキックを行うとき、相手競技者が既定の距離よりボールの近くにいる場合、
●キックは、再び行なわれる。
(後略)

 

とだけ書かれていて、既定の距離から離れようとしている競技者に構わず攻撃側(キッカー側)がフリーキックを行なった場合についての補足が書かれていませんが、そのような場合はキックをやり直す必要はありません。
 

上記の文章は、儀式的なフリーキックの形で、直接ゴールを狙うようなキックが行なわれる直前に壁から相手競技者が「飛び出し」た場合をイメージして書かれている文章だと思われます。(もちろん、キックの直前に飛び出してもイエローカードの対象です。)

 

さて、続いて2つめのお話です。
 

選手2人が小競り合いを起こしたために、1人が退場になって1人が警告を受けました。ボールに関係のないところでの小競り合いで、主審は直接確認(目視)しておらず、副審からの助言を受けてのカード提示です。
 

現象としては、白いユニフォームの選手が、緑のユニフォームの選手の側頭部を「ペシッペシッ」と2回はたいて、はたかれた緑のユニフォームの選手が白いユニフォームの選手を突き放したという感じです。 
 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

乱暴な行為

競技者がボールに挑んでいないとき、相手競技者に対して過剰な力や粗暴な行為を加えた場合、乱暴な行為を犯したことになる。

また、味方競技者、観客、審判員あるいはその他の者に対して過剰な力や粗暴な行為を加えた場合、乱暴な行為を犯したことになる。

乱暴な行為は、ボールがインプレーであるとないとにかかわらず、フィールド内またはフィールドの境界線の外側のいずれでも起こり得る。

(後略)


にあるように、「粗暴な行為を加えた」という理由から退場になったようです。
 

白のユニフォームの選手にしてみれば、スキンシップを図ろうという動作だったのかもしれませんが、頭部をはたいたのはよろしくなかったですね。
  

個人的にはちょっと厳しすぎるジャッジのようにも感じますが・・・。私なら両方イエローカードの提示にするかなぁ・・・。(たしか以前紹介した Referee Week in Review に、両者イエローカードという御裁きがあったような・・・。) 
 

イエローカードのほうは、単独で行われていたら「粗暴な行為」となるところですが、相手が先に手を出してきたことに起因しているので、ワンランク下げて「反スポーツ的行為」として警告された、という感じでしょうか。
 

「反スポーツ的行為」は、様々あって競技規則(ガイドライン)に全てが掲載されている訳ではないのですが、敢えて競技規則の言葉で理由をつけるとすれば「●サッカー競技に対して敬意を払わない態度で行動する。」になりますかねぇ・・・。
 

最後に副審の助言に関係する部分を掲載しておきます。
 

競技規則 第5条 主審

職権と任務

主審は、
(中略)
●主審が見ていなかった出来事に関しては、副審の助言によって行動する。



競技規則 第6条 副審

任務

副審を2名任命することができる、決定は主審が行うが、副審の任務は、次のときに合図をすることである。
(中略)
●主審に見えなかった不正行為やその他の出来事が起きたとき



☆ 関連記事 ☆
「フリーキック時の壁の操作 (その2)」

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