3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
相手競技者に干渉する … 2011 Referee Week in Review - Week 13 (米国サッカー協会) より
 

本日の記事は、米国サッカー協会の 2011 Referee Week in Review の Week 13 についてのお話です。
  

まずは下記のリンクをクリックして表示されるビデオクリップをご覧ください。
  

http://www.ussoccer.com/News/Referee-Programs/2011/06/Referee-Week-in-Review-Week-13.aspx

☆追記 映像が直接埋め込めることが判明しましたので、上記アドレスの映像を記事に埋め込んでおきます。

 

 
  

Week 13 の内容は、オフサイド(相手競技者に干渉する)とベンチコントロールの2つです。
 

1つめのビデオクリップは、オフサイドに関するお話です。
 

オフサイドについては、

「◆ オフサイドに関するこのブログ内の記事を集めた記事」 

にまとめてありますので、審判初心者の方は、ご参考に。
 

今回のビデオクリップの内容について、米国サッカー協会の見解としては、「ボールに触れてはいないものの、オフサイドポジションにいた攻撃側選手の動きにゴールキーパーがつられたために、オンサイドポジションにいた選手による見かけ上のゴールとなった。」
 

いわゆる「相手競技者に干渉する」の定義に抵触したため、オフサイドであるという判断です。
 

このビデオクリップを見て、過去、このブログの中で紹介した米国サッカー協会の、足を添えていただけの場合はオフサイドにならない、という見解の文章を思い出した方は、「素晴らしい」記憶力をお持ちの方です。
 

その時紹介したビデオクリップはこちら。(クリックすると、「埋め込みがリクエストにより無効になっています」と出ますが、その下の「YouTube で見る」をクリックしてご覧ください。) 



YouTube: US Soccer Referee Position Paper: October 16, 2007

 

上記の映像に関して米国サッカー協会の見解は、抜粋すると、
  

「(オフサイドポジションにいる選手が)ボールに足を添えているが、ボールに触れていないので、プレーに干渉したとはみなされない。」「(ゴールキーパーの視野が明確に解るリプレイ映像がないので、推測するしかないのだが、ゴールキーパーがオフサイドポジションにいた選手に惑わされたり注意をそらされたという明確な証拠となるビデオは存在しないので、オフサイドポジションにいた選手は、)相手競技者に干渉していない。」「(ゴールポスト、クロスバー、相手競技者から跳ね返って)利益を得てもいない」。
 

「よって、オフサイドポジションにはいたが、積極的な関与を示す要素がないので、オフサイドポジションにいた選手に反則の罰を課さないという主審の決定を支持する。」 
 

というものでした。(過去記事「一見オフサイドに見えて、オフサイドではない例」より。)
 

さて、この2つのビデオクリップの中で、オフサイドポジションにいた攻撃側選手は、いづれもボールに足を添えているものの、ボールには触れていません。
 

では、なぜ「オフサイドとなった例」と「オフサイドとはならなかった例」の違いが発生するのでしょう。
 

答えは、

「ボールのスピード&進んでいる方向」と「相手競技者との距離」の2つの要素が大きく違っているからです。
 

一見すると同じようなプレーでも、これらの要素によって、オフサイドになったりオフサイドにならなかったりする訳です。審判団は瞬時にこれらの情報を判断して判定を下すことが要求されます。
 

もしかすると、非常に難しく感じるかもしれませんが、2つの映像を何度も見比べて、ぜひ「違い」を感じとってみてください。

 
何度も見比べておけば、ご自身が審判を担当した際、万一同じようなシーンに遭遇した時に、どちらのビデオクリップの状況に近いのかをひとつの判断基準の材料としてお使いいただけると思います。
 


2つめのビデオクリップはベンチコントロールのお話。


ベンチに入っているチームの関係者は、テクニカルエリア内に留まっていることが義務付けられており、テクニカルエリア外にはみ出した状態で、選手に指示を出したりすることはできません。
 

このベンチに入っているチーム関係者の行動などを監視するのは、基本的には第四の審判員の仕事になります。
 

恐らくヘッドコーチがテクニカルエリアから少しはみ出して選手に指示を出していたのだと思われます。第四の審判員が、繰り返しテクニカルエリアからはみ出して指示をしないように注意していたのでしょうが、一向に聞き入れなかったようで、第四の審判員が主審を呼び、状況を説明したところ、主審がヘッドコーチに退席を命じたということのようです。
 

競技規則の関係する部分を確認します。

競技規則 テクニカルエリア (←第17条のあとに書かれています)

テクニカルエリアはスタジアムでの試合において用いられるもので、以下に示されるよう、エリア内にはチーム役員と交代要員の座席部分が設置される。

テクニカルエリアの大きさや位置はスタジアムによって異なるが、以下の点を一般的な指針としてここに示す。

●テクニカルエリアは、特定された座席部分から両横に1ⅿ(1ヤード)、前方にタッチラインから1ⅿ(1ヤード)の範囲である。
(中略)
●その都度ただ1人の役員のみが戦術的指示を伝えることができる。
●トレーナーやドクターが競技者の負傷の程度を判断するため主審からフィールドに入る承認を得た場合などの特別な状況を除いて、監督およびその他のチーム役員は、エリア内にとどまっていなければならない。
●監督およびその他テクニカルエリアに入る者は、責任ある態度で行動しなければならない。

 

テクニカルエリアに関するこれらのことを踏まえた上で、第四の審判員は、
 

競技規則 第4の審判員およびリザーブ副審
(中略)
●第4の審判員は、主審によって要請された試合前、中、後の管理上の任務を援助する。
(中略)
●第4の審判員は、競技規則に従って、主審が試合をコントロールするのを援助する。しかしながら、主審は、プレーに関するすべての事柄を決定する権限を持つ。
(中略)
●第4の審判員はテクニカルエリアに入っている者が責任ある行動を取らなかった場合、主審に伝える権限を持つ。
(後略) 

 

援助し、必要があれば主審に伝えるところまでが、第4の審判員の役割です。このあとは主審の仕事になります。
  

第4の審判員は、ベンチコントロールを任される訳ですが、チーム関係者に高圧的・威圧的な態度で接すると、信頼関係が簡単に崩れてしまいます。別に媚びたり下手に出る必要はありませんが、注意する必要がある場合は、まずは笑顔で声掛けしましょう。
 

この笑顔が第4の審判員の腕の見せ所だと私は思います。
 

もちろん、責任ある行動を取らないチーム関係者は主審に知らせて退席処分にすべきですが、そうならない(退席させない)ようにするコントロールも必要かと。 
 

どうしても退席させる必要がある場合は、あくまで主審の権限で退席させます。
 

競技規則を確認します。


競技規則 第5条 主審

職権と任務

(中略)
●副審および第4の審判員がいる場合はそれらの審判員と協力して試合をコントロールする。
(中略)
●責任ある態度で行動しないチーム役員に対して処置をとり、さらに主審の裁量により、役員をフィールドおよびその周辺から立ち退かすことができる。
●主審が見ていなかった出来事に関しては、副審の助言によって行動する。
(中略) 
●関係機関に審判報告書を提出する。報告書には、試合前、試合中または試合後の、競技者あるいはチーム役員に対する懲戒処置やその他の出来事に関する情報が含まれる。

 

ちなみに、観客を退席させることはできません。ただし、4種(小学生)の試合の場合、教育的見地から少年委員会が観客(保護者)に対し、「審判への異議は認めない」というようなルールを設定している場合がありますが。
 

最後に、テクニカルエリアのところに、

●その都度ただ1人の役員のみが戦術的指示を伝えることができる。

という文章があります。
 

座席部分はテクニカルエリア内です。4種の試合で、ベンチの複数の指導者が同時に別々の選手に指示を出しているのをよく見かけますが、競技規則で定められている違反です。
 

知っているけど無視して違反しているのか、知らずに違反しているのか、このルールを守っていない指導者が多いです。



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