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3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
ゴールキーパーに対する反則
 

 
先日の団の夏合宿の際、子供たちの指導ではなく、保護者審判の方々のサポートに回った、ということを書きました。その時の出来事から。

 

あるお父さん審判が、ボールを捕球しようとしていたゴールキーパーに相手競技者が接触した、ということで笛を吹いて試合を停止し、守備側チームの直接フリーキックで再開しました。その接触は、少し強いものであり、ファウルチャージとして罰せられることは何ら問題はありませんでした。

 

ただ、選手達に「キーパーチャージ」と説明していたので、試合後に「キーパーチャージという反則は今はないんですよ。ファウルの理由としては、(ゴールキーパーへの)ファウルチャージまたは、(ゴールキーパーへの)ファウルタックルということになります。」とアドバイスしました。

 

調べてみると、ゴールエリア内でのキーパー保護を目的とした「キーパーチャージ」という反則に関する項目が消えて、フィールドプレーヤーと同じ扱いになったのは、1997年の改正のようです。

 

しかし、通常のフィールドプレーヤーとは若干異なり、捕球態勢に入った状態や捕球直後、パンチングでクリアしようとジャンプしている状態のゴールキーパーに対する攻撃側選手のファウルは国際大会やJリーグなどでも厳しく取られています。

 

ちょっと語弊があるかもしれませんが、GKの安全に対する注意や配慮が欠けているという”不用意なプレー”の部分が、運用面で拡大されているという感じです。

 

ただ、少し気をつけなければならないのは、特にU-12以下のカテゴリーの場合、ゴールキーパーがパントキックするのと、プレースキックするのでは極端にキックの距離が異なるので、せっかくゴールキーパーが頑張って捕球し、パントキックできる状態になったのに、ファウルの笛を吹いて反則としてプレースキックをさせることになると、なんのための笛だったのか、ということになります。

 

従って、ゴールキーパーに対するファウルを取る場合、ゴールキーパーが捕球するかしないかを、しっかり見極めてから笛を吹く必要があります。もちろん、キーパーが反則されたことによって負傷したと思われる場合や、イエロー・レッドカードの提示が必要な場合は、この限りではありません。 

 

さて、ここからが本題。

 

競技規則上、ゴールキーパーに対する反則は、原則として通常のフィールドプレーヤーと同じ条件になりましたが、その特殊なポジションに対する反則は残っています。

 

競技規則 第12条 ファウルと不正行為

間接フリーキック

(中略)
競技者が次のことを行ったと主審が判断した場合も、間接フリーキックが相手チームに与えられる。
(中略)
●ゴールキーパーがボールを手から放すのを妨げる。

 

更に、ガイドライン側ではもう少し細かく記載されています。 

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

ゴールキーパーに対する反則

●ゴールキーパーがボールを手から放すのを妨げることは、反則である。
●ゴールキーパーがボールを放そうとしているときに競技者がそのボールをけるまたはけろうとすることは、危険な方法でプレーすることで罰せられるものとする。
●コーナーキックを行うときなどに不正な方法でゴールキーパーを妨げてゴールキーパーの動きを制限することは反則である。


 

となっています。 

 

「ゴールキーパーがボールを手で保持している状態」の定義は競技規則(ガイドライン)で詳しく規定されていますが、それらについては、また別の記事にするとして、2006年以前の競技規則には、上記の「ゴールキーパーに対する反則」の例が、Q&A集として競技規則に載っていたので、それを紹介しておきます。

 

2006/2007年度版 競技規則 競技規則に関する質問と回答 

第12条 ファウルと不正行為

Q17.ゴールキーパーがボールを弾ませている場合、相手競技者は危険なプレーの反則を犯していなければ、ボールがグラウンドに離れたときにボールをプレーしてもよいか?

A17.プレーできない。

 

Q18.ゴールキーパーがボールを保持した後、手の上にボールを置いた。相手競技者が後からやってきてゴールキーパーの手の上のボールをヘディングした。これは許されるか?

A18.プレーできない。

 

Q19.ゴールキーパーがボールをプレーに戻すためにキックしようとして手から離したとき、相手競技者はボールがグラウンドに触れる前にインターセプトした。これは許されるか?

A19.許されない。ゴールキーパーがボールを手から離そうとするのを妨げることは反則である。ゴールキーパーがボールを手から離すこととボールをキックすることは、1つの動作と考えられる。

 

Q29.ボールにチャレンジしている競技者が、ゴールエリア内にいる相手ゴールキーパーに接触した。これは許されるか?

A29.ボールにチャレンジすることは許されている。そのチャレンジが、不用意に、無謀に、あるいは過剰な力で、ゴールキーパーに飛びかかる、チャージする、あるいはゴールキーパーを押すものである場合に限りその競技者は罰せられる。


 
 

現在の競技規則には記載されていない文章なので、文字は「茶文字」にしておきますが、現在の競技規則に照らし合わせて矛盾がないので、これらのQ&Aは「有効」と言えると思います。 

 

なお、Q19.に相当する映像をいくつかYouTube で見つけたので、最後にリンクを貼っておきます。(というか、本当はこれらの映像を見つけたので、この記事を書いています。)


YouTube: Verrücktes nicht erlaubtes Tor ||HD|| ||720p||



  

次の映像のほうでは、カード(イエロー)が出ています。
 


YouTube: Solskjaer's disallowed goal against boro


 

私見ですが、このような反則があった場合は、イエローカードで良いと思います。理由としては、たとえ接触がなくても競技規則で「危険な方法でプレー」で罰せられるとなっているし、接触した場合はゴールキーパーが負傷しかねないプレーだと思うからです。(場合によってはゲームの再開を遅延させたということで、「遅延行為」もありえますかね。)

 

ま、とにかくプロの選手でも、ルールを知らない選手はいますね。というか、競技規則を隅から隅まで読んでいるサッカー選手のほうが少ないと思われます。

 

☆ 関連記事 ☆

「ゴールキーパーの反則」

「ゴールキーパーの珍プレー」

「ゴールキーパー(GK)へのチャレンジについて」 

「◆ ゴールキーパーに関係するこのブログ内の記事を集めた記事」 


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コメント
コメント
No title
先日(2012年10月)ヨーロッパリーグのリバプール対アンジ戦終盤にリバプールのDFアッガーによるGKからのボール奪取、シュート、というシーンがありました。結果、アッガーにイエロー。

http://www.liverpoolfc.com/video/uefa-cup/liverpool-vs-anzhi-2012-10-25-20-05-00/12858-should-this-have-been-a-goal

で、気になってゴールキーパーへのファウルについて調べていましたらこちらのブログを見つけましたのでお邪魔しました。

まさにQ18に該当するケースでイエローカード妥当、ということでしょうか。プロ選手もそのあたりは理解していないんでしょうね。
2012/10/29(月) 12:47:18 | URL | あつし #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
あつし さん、はじめまして&コメントありがとうございます。
 
映像を拝見させていただきました。

アンジの選手は、「お前、このプレーは警告の対象になるの知らね~の?」って感じでアッガー選手に話しかけていますね。
 
日本でも2008年3月に行われたゼロックス・スーパーカップで、同じようなプレーが行われたようで、通達が出ています。

http://tom3.blog.ocn.ne.jp/blog/2010/12/post_1329.html
 
古い競技規則の本を持っていないので、いつからこのプレーが警告の対象になったのかは定かではないのですが、1996年頃までは、「不用意に、無謀に、過剰な力で」のチャージさえ行われなければ、ボールを手に持っているゴールキーパーへのチャレンジは許されていたようです。
 
「キーパーチャージ」という言葉が競技規則から消えた1997年の改正で、キーパーへのチャージングが特別なものではなくなり他のチャージングと同様なものとなった代わりに、手でボールを保持しているあるいは保持しようとしているキーパーに対する接触プレーは厳しく取り締まられるようになったようです。
 
http://commons.jfa.or.jp/referee/mailmagazine/
の10/16付のメルマガVol.36もご参考に。
 
 
ご紹介していただいた映像、「新鮮」なのでブログの記事に使わせていただきますね。
 
情報ありがとうございました。
 
2012/10/30(火) 01:56:32 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
こんにちは、便乗質問です。

厳密には違いますが、ウチの子トップなんです。
ある試合でキーパーがパントキックしようとしている時に目の前に立ち、キーパーから「近い」とアピールされ、審判の注意を受け、回れ右の後(ボールから目を離してる!ダメじゃん)、ジョグくらいの走り方でその場を立ち去ろうとしている時にキーパーがパントキック。

キックしたボールがこれまたなんで?と言うくらいライナー性のボールでウチの子の後頭部に直撃。
脳震盪?ってくらいふら付いて頭抱えてその場にうづくまりました。
審判の笛が鳴り、プレーがとまりましたが、なぜかウチの子にイエロー!
「キーパーがボールはなすのを邪魔する」と言うほどの近距離でもなく・・・。

ダメなんですかね?

それと、キーパーが片手の上にボール乗せてるのをヘッドで落としてシュートするのを4種でも見たことがあります。その時はゴールを認めていましたが、イエローだしていいんですか?
「反スポ」になるんでしょうか?再開は「間接」?
2012/10/31(水) 11:44:06 | URL | トトビッチ #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
 
トトビッチ さん、コメントありがとうございます。
 
難しいところですね。
 
GKがパントキックを意図的にFWに対して「無謀に」以上の力でぶつけたと判断されれば、GKが警告または退場になると思います。(スローインを意図的にぶつけるのと同様。)
 
しかし、FWがGKのパントキックによるロングフィードを阻止しようとしたと判断されれば、FWの反スポ(●戦術的な目的で、相手競技者に干渉するファウルを犯した)として、FWが警告になると思います。
 
GKが手で捕球したので、そのままGKの前を通過することなく自陣側に戻ろうとしている状態のFWにぶつけたのであれば、GKが警告になっていた可能性もなくはないと思います。(ちなみにその場合、FWがボールをぶつけられた場所によってはPKになる可能性もあります。)
 
しかし、文面から判断すると、トトビッチさんの息子さんは、一旦GKの前に立ちはだかってGKの動きを封じ、相手チームのカウンター攻撃のチャンスを潰しています。
 
この時点で「警告」されていてもおかしくなかったと思われます。しかし、主審は警告とせずに「注意」で済ませました。
 
トトビッチさんの息子さんは、その後「単純に」自陣側に戻ったつもりかもしれません。しかし、主審には、カウンター攻撃のチャンスを潰した上に、「当たることを期待して、わざとGKのパントキックのコースに入った、あるいはパントキックをミスするようにわざとGKの視野に入った(未必の故意)」と感じられたから、警告されたのではないでしょうか。
 
(主審がどの位置で、どのように見ていたのか判りませんし、トトビッチさんの息子さんのGKとの距離感や自陣側に戻る際のコース取りも不明なので、なんとも言えませんが。)
  
>キーパーが片手の上にボール乗せてるのをヘッドで落として
 
少なくとも守備側にフリーキックが与えられる反則になります。(再開方法は、身体的な接触があれば直接FK、身体的な接触がなければ間接FKです。)
 
ガイドラインの第12条 ファウルと不正行為の「ゴールキーパーの反則」のところに、 
 
「ゴールキーパーが手でボールを保持しているとき、相手競技者はゴールキーパーに挑むことができない。」と明記されています。
 
主審がそのGKに挑む行為を「危険である」と判断した場合は、「警告」されます。(GKに接触したかどうかは関係ありません。)
 
いつパントキックの態勢に入るかわからないGKに近づく行為は、それだけでじゅうぶん「危険」と判断され、「警告」されているケースが多いと感じています。(私見ですが。)
 
ちなみに私なら、FWが手でボールを保持しているGKに近寄りそうだと判断した段階でまず「〇〇番、キーパーから離れて!」と声かけして接触を未然に防ぐ努力をします。にも関わらずFWがその声を無視して更にGKに近寄って行き、GKに触れるもしくは触れそうな状態になった時点で笛を吹いてイエローカードで警告すると思います。
 
GKを怪我させてからでは遅いので。
 
 
2012/10/31(水) 21:44:06 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
いつもながら丁寧な返事ありがとうございます。

「カウンター攻撃のチャンスを潰した」
結果的にはそうなっていたんですね・・・。

最初にキーパーの前にたった時点で反則になっていればイエローだったとしてもFKで再開。
そうなれば頭への直撃もなくて済んでたような・・・どっちにしろイエローは複雑ですが。
あぁ、「戦術的な目的で・・・」と判断されなければイエローなしで間接FKですね。

自分の子だからヒイキ目に見ちゃってた面は少なからずあります。
小さな局面に意識がいき過ぎて大局を見失ってたという事ですね。あの時の審判がそこまで見極めていたとすれば脱帽です。
その点トトビッチ、審判としてはダメかも・・・でも相互で審判する時は自分の子には意外と厳しくなっちゃうんですよね(苦笑)。

またお願いします。
2012/11/01(木) 08:34:16 | URL | トトビッチ #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
初めまして。

先日練習試合で試合で笛を吹いたのですが、グラウンダーのシュート性のボールをGKが横っ飛びでキャッチしました。
ボールは接地して両手のひらの間にある状態で、ちょうど飛び込んできた選手が合わせようとしたのが、たまたまボールに当たり、そのままゴール。

これはファウルか分かりますか?

よろしくお願いします。
2012/12/04(火) 21:10:45 | URL | つよし #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
つよし さん、はじめまして&コメントありがとうございます。
 
微妙ですが、つよし さんの文面から判断する限り、手でボールを保持した状態にあるゴールキーパーへのチャレンジとなり、ファウルになる可能性が高いと判断します。(再開方法は、身体的な接触があれば直接FK。ボールにだけ接触したのであれば、間接FK。)
 
http://tom3.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/11/post_d66b.html
 
の記事に、余談的な形でご質問とほぼ同じシーンについて少し説明をしていますので、そちらもご確認ください。
  
2012/12/04(火) 22:22:31 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
丁寧な説明ありがとうございました。
きっと誤審ですね。
勉強になりました。
キーパーチャージという呼び方は無くなったものの、実態はほぼ変わらないですね。今後は気をつけようと思います。
2012/12/05(水) 23:53:05 | URL | つよし #79D/WHSg [ 編集 ]
GKの反則
お世話になります。
GKの反則で次のプレーは、反則でしょか?

1.ペナエリア内でGKが手で保持したボールを手で転がして再び、手で保持した。
2.1.同様にペナエリア内でGKが手で保持したボールを足でドリブルした後、再び、手で保持した。

2016/06/19(日) 21:11:39 | URL | tokk #- [ 編集 ]
Re: GKの反則
tokk さん、はじめまして&コメントありがとうございます。

> 1.ペナエリア内でGKが手で保持したボールを手で転がして再び、手で保持した。
> 2.1.同様にペナエリア内でGKが手で保持したボールを足でドリブルした後、再び、手で保持した。

競技規則は確認されましたでしょうか?どちらも競技規則のガイドライン側に記述されています。
答えだけ書くと、1はセーフ、2はアウトです。

詳しくは、過去記事「ゴールキーパーの反則」
http://tom3kyu.blog.fc2.com/blog-entry-74.html
の記事およびコメント欄をご覧ください。(この記事の関連記事として記事本文にリンクが貼ってありますよ。)

また、
http://tom3kyu.blog.fc2.com/blog-entry-467.html
の記事もぜひどうぞ。

追伸。
"3級審判員の悩める日々" "ゴールキーパーの反則"
という形で、ブログタイトルとキーワードをそれぞれダブルコーテーションで囲み、間にスペースを入れてネットで検索をかけていただくと、知りたい内容が書かれた記事にたどり着ける可能性が高くなりますので、ぜひ試してみてくださいませ。
2016/06/21(火) 00:58:27 | URL | tom3 #JU5/Lso2 [ 編集 ]
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