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3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
フリーキックのために時間は追加されないが、ペナルティーキックの場合は時間が追加される


 

オーストラリア戦で本田選手がフリーキックを蹴る前に、主審によって試合終了の笛が吹かれてしまったことに関するお話です。

 

速報版でも書きましたが、「少し意地悪」だけど、競技規則の適用誤りということはありません。そのあたりを検証します。

 

フリーキックの場合、仮にセレモニー形式での再開となっても、壁を下げたりするためにプレーを停止していた時間を、空費された時間として追加する/追加しないについては、明確に規定されていません。

 

競技規則 第7条 試合時間

空費された時間の追加

次のことで時間が空費された場合、前、後半それぞれ時間を追加する。
●競技者の交代
●競技者の負傷の程度の判断
●負傷した競技者の治療のためのフィールドからの退出
●時間の浪費
●その他の理由

空費された時間をどれだけ追加するかは主審の裁量である。
 

 

ですので、あくまで主審の裁量になります。「壁を下げるのに要した時間」が「時間の浪費」や「その他の理由」にあたる、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、選手(競技者)の交代のように明記されていない以上、主審の裁量に委ねられると思います。

 

この記述に続いて第7条には下の文章が記載されています。

 

ペナルティーキック

ペナルティーキックまたはそのやり直しが行われなければならない場合、ペナルティーキックが完了するまで前、後半の時間を延長する。


 

この部分に関する内容が、第14条 ペナルティーキックのところにも記載されています。

 

競技規則 第14条 ペナルティーキック

(前略)

前、後半の終了時および延長戦の前、後半の終了時に行うペナルティーキックのために、時間が追加される。

(後略) 


 
そして、第13条 フリーキック のところには、上記のような記載はありません。 

  

従って、ペナルティーキックは試合(または前半など)がタイムアップとなっても、自動的に延長されることが競技規則でしっかり規定されているので、ペナルティーキックをけらせないというのは競技規則の適用誤りとなり問題となりますが、フリーキックの場合は主審の裁量となり、けらせなくても競技規則の適用誤りにはなりません。

  

さて、それでは主審の動きを確認してみます。

 

後半48分03秒  (主審が)左手の腕時計で時間を確認する。

後半48分06秒  (主審が)右手に持っていた笛を口にくわえる。(おそらく試合終了の笛を吹くタイミングを探っていたが、日本代表側がバイタルエリア付近でボールを回していたため、日本代表側がシュートをうつまたは、ボールがラインを割る、またはオーストラリア代表がボールをコントロール下に置く状態になるのを待っていた節があります。)

 

そんな中、

後半48分24秒  (本田選手が、ペナルティーエリアの約5m手前で倒されたため)日本代表のFKをコールします。(試合終了の笛を吹くつもりが、吹けなくなってしまった、という感じです。主審の中では気持ち的に、「もう既にタイムアップだ」という意識が強いと思います。でも、日本代表に「本当に最後のチャンス」をあげようと。)

 

ボールが再開場所から大きく離れてしまったため、主審が再開場所を指示しに行くのですが、TV画面はリプレイ映像が流れ、その後の主審の動きが全く見えません。(涙)

 

セレモニー形式なので、壁の操作のため試合を停止していたと思われるのですが、ファウルの笛はあったものの、壁の操作のために試合を停止する旨の笛はありませんでした。(しかし、競技規則に定められている「既定の距離を下げたときのフリーキックを再開させるための笛」はきちんと吹いています。)

 

壁の操作前に試合を停止する笛を吹けという明確な規定はありません。「一時的に試合を中断する場合は笛が必要」とは書かれていますが。

 

私は壁の操作は「一時的に試合を中断する」に該当するのではないか、ということと、守備側(特にGK)にフリーキックが笛で再開されるということを明示的に知らせるために、壁の操作をする場合は、ファウルの笛とは別にもう一度笛をタンギングしながら吹くようにしていますが・・・。

 

話を戻します。

 

試合が停止しているという明確な笛はなかったものの、笛を目の高さまで上げたのか、口頭で伝えたのかは不明ですが、選手とはコミュニケーションが取れていたようで、両チームともセレモニー形式のフリーキックとなることを認識・了解していた様子です。

 

後半48分54秒  (主審が)壁の操作を終え、壁を監視しながらバックステップで壁から離れます。

後半48分55秒  (主審が)日本代表側にフリーキックを開始して良いという合図の笛を吹きます。(このタイミングで止まっていた試合が再開されました。)

後半49分08秒  (主審は)試合終了の長い笛を吹きました。

 

恐らく、笛を吹く前に本田選手が助走を開始していれば、もうワンプレー待っていたと思いますが・・・。

 

フリーキックで再開して良いという合図の笛から試合終了の笛まで約13秒。

 

「既にタイムアップ」を意識していた主審にとって、ファウルの時点でタイムアップでもよかったのですが、直接ゴールを狙える位置だったので、ファウルされたことに対する対価としてフリーキックの権利を日本代表側に与えよう、と。

 

フリーキックが行える環境を整えて笛を吹いて約10秒待ったけど、日本代表側が速やかにその権利を行使しなかったので、

 

「な~んだ、折角ファウルに対する対価をあげたのに、速やかに行使しないんだ。それじゃぁ、時間も過ぎているので試合終了ね。」

 

ってな心境だったのはないですかねぇ~。(あくまで私個人の勝手な推測です。) 

 


 
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コメント
コメント
No title
実際の運用上なかなか理解されにくいのですよね。
私もTOM3さんが書かれている様に認識しています。
その様な理解が広まれば良いのですけど。
あの試合に関しては、日本はほとんどのセットプレーで時間をかけ過ぎでした。
伏線として再開が遅い事に対しての注意や、もっといえば警告もあっても良かったのかもしれません。
そうすればFKを蹴らせずに終了した時に、「あぁ~時間かけ過ぎたのね。」と理解されたのかもしれませんね。
2012/06/18(月) 08:07:36 | URL | K.AKI #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
 
特にセレモニー形式のFKは、主審が笛を吹いてから実際に本田選手(1回は遠藤選手)がキックを行なうまですべて10秒以上かかっています。
 
TV画面には映っていませんが、主審が早くキックを実施するように「Hurry」とか「Hurry up」というような言葉による催促、もしくは手の合図などがあったのではないのかなぁ、と思うのですが・・・。
2012/06/18(月) 21:34:15 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
その様な声掛けやジェスチャーは当然あっただろうとは思います。
それだけでは無く、一度しっかりと「時間をかけ過ぎだ。次からは早く再開しなさい。遅延行為として警告するぞ。」
ここまで注意をすれば良かったのでは?と思います。
2012/06/19(火) 19:30:42 | URL | K.AKI #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
 
おっしゃる通りだと思います。
 
試合後の反省会でそんな話になっているのではないでしょうかねぇ・・・。
 
2012/06/19(火) 22:16:11 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
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