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3級審判員の悩める日々
とあるサッカースポーツ少年団の指導者で、かつサッカー3級審判員である私のサッカー三昧な日々
アゼルバイジャン戦の公式記録ほか
 

2012年5月23日に行なわれた、日本代表 vs アゼルバイジャン代表の試合の公式記録は、こちら

http://www.jfa.or.jp/national_team/match/2012/20120523kcc/schedule_result/pdf/m01.pdf

 

シンガポールの審判団。

  

いつもは日本代表の試合で主審によって出されたカードの内容を記事で確認しているのですが、今回はイエローカードおよびレッドカードともに無し。

 

いくつかカードが出ていたほうが、記事が書きやすいのですが・・・。

 

さて、アブドゥル・マリク・アブドゥル・バジル主審のジャッジですが、ファウルについては公平で特に問題はなかったと思います。

 

レフェリーサイドのコーナーキック時においてボールセットを直させたり、きちんとボールが停止しないまま再開されたフリーキックをやり直しさせたりするなど、基本に忠実なレフェリングをされていたように思います。

 

なかでも特筆すべきは、前半41分のプレーオン採用ですね。そのプレーオンから香川選手の得点に繋がりましたから。

 

日本代表の4番(本田圭佑選手)が、アゼルバイジャン代表の15番(ルスラン・アビショフ選手)の不用意なファウル(スライディング)を避けることを優先したため、ボールを失います。

 

本田選手は、うまく避けることができて接触はしなかったものの、主審に「危ないスライディングではないか?」というアピールをします。ただ、ルーズボールを日本代表の17番(長谷部誠選手)がフリーで支配できたので、主審はプレーを停止せずそのまま「プレーオン」を採用します。

 

長谷部選手から香川選手へのスルーパスが通って、日本代表のゴールが生まれました。

 

もし笛でプレーが止められていたら、この得点はなかったかもしれませんでした。審判冥利に尽きる瞬間だったでしょうねぇ・・・。


YouTube: 香川真司 ゴール! 日本×アゼルバイジャン KAGAWA GOAL !!!





後半2分のお話。

 

22番(前田遼一選手)が、アゼルバイジャンの3番(アギル・ナビエフ選手)の顔面に肘を当てたシーン。

 

前田選手の腕(肘)の使い方が、ちょっと雑(ラフ)でした。相手競技者が競り合いに参加してくることは容易に想像できたので、危険な腕の使い方はするべきではなかったと思われます。

 

危険な方法(接触あり)でプレーした、ということで「警告」されるべきだったように思います。(あるいはラフプレー=反スポで。)

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

危険な方法でのプレー

危険な方法でプレーするとは、ボールをプレーしようとするとき、(自分を含む)競技者を負傷させることになるすべての行為である。この反則は、近くにいる相手競技者が負傷を恐れてプレーできないようにすることである。

(中略)

危険な方法でのプレーには、競技者間の身体的接触がない。身体的接触があった場合、直接フリーキックやペナルティーキックで罰せられる反則となる。身体的接触がある場合、主審は不正行為も犯される可能性が高いことを十分考慮しなければならない。

懲戒の罰則
●競技者が危険ではあるが〝通常の方法〞で相手に挑んだ場合、主審は懲戒的措置を取るべきでない。その行為により明らかに負傷を引き起こす可能性がある場合、主審は競技者を警告する。

(後略)


 

前田選手のプレーは、危険ではあるが〝通常の方法〞で相手に挑んだ、という主審の判断だったから「カードなし」だったのかも知れません。

 

ただ、解説のセルジオ越後さんの言う通り、「著しく不正なファウルプレー(粗暴な行為)」として、「一発レッド」になっていた可能性もあります。選手はヘディング時の競り合いにおける手の使い方にじゅうぶん注意しなければなりません。

 

競技規則 ガイドライン 第12条 ファウルと不正行為

著しく不正なファウルプレー

ボールがインプレーで、競技者がボールに挑むとき、相手競技者に対して過剰な力や粗暴な行為を加えた場合、著しく不正なファウルプレーを犯したことになる。

(中略)

著しく不正なファウルプレーを行った競技者は退場が命じられ、反則が起きた場所からの直接フリーキック、または(反則を行った競技者のペナルティーエリア内で反則が起きた場合)ペナルティーキックでプレーを再開する(第13条-フリーキックの位置を参照)。


 

 

最後に、後半29分の本田選手が交代して退くシーン。

 

チャレンジカップで親善試合みたいなものですから、日本が勝っていても遅延行為でイエローカードが出されるようなことはありませんでした。

 

しかし、あんなにゆっくり歩いてフィールドから出たら、遅延行為としてみなされ「警告」されてしまう恐れがありますね。


YouTube: 札幌高木、交代時遅延行為によるイエローカード そして退場へ

 


ま、審判もいきなり「警告」するのじゃなくて、「早く出ましょう!」くらいの声掛けをして、それでも急ぐ素振を見せなければ「警告」という手続きをとったほうが良いと思いますが・・・。

 
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コメント
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No title
カードの基準は、だいぶ甘い基準なのかなぁと感じました。
何回か注意をしているシーンがありましたから、そこが基準だったのでしょうね。
熱いゲームになった時、どのようなコントロールをするのか気になりました。
そこは国際審判員、ちゃんと試合のテンションを考えた基準でコントロールするのでしょうけども。
2012/05/25(金) 07:49:54 | URL | K.AKI #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
いつも参考にさせていただいております。

一つ気になったことが。負傷者への対応ですが、主審がフィールド上で負傷者の治療をさせて、フィールドの外に一回出させてから復帰という場面が何度かありましたが、担架の要請はありませんでした。
フィールドプレーヤーへの対応は「競技者に質問をしたのち、競技者の負傷程度を判断し、競技者の安全を確保して迅速にフィールドから退出させる」ですよね。
プレーを止めて競技者の負傷の程度を確認〜ドクター入場までは問題ないけど、担架要請して早く負傷者を退出するべきだったのでは?と思いました。
テレビで観戦でしたが、それほど重症だったようには思わなかったので。
2012/05/25(金) 09:33:19 | URL | yash! #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
K.AKI さん、いつもコメントありがとうございます。
 
>カードの基準は、だいぶ甘い基準なのかなぁと感じました。

できるだけカードを出さないゲームコントロールをテーマにされていたのかも知れませんねぇ・・・。
 
2012/05/25(金) 21:24:00 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
  
yash! さん、コメントありがとうございます。
 
>主審がフィールド上で負傷者の治療をさせて、フィールドの外に一回出させてから復帰という場面が何度かありましたが、担架の要請はありませんでした。
  
2010年度の改正で、負傷者が歩いてフィールドの外に出ることができると判断した場合や判断に迷う場合は、担架搬送者は呼び入れず、先にチームドクター等だけを呼び入れるようになっています。(担架搬送者を呼び入れると余計に時間がかかる場合があるので。また、チームドクターの判断で担架が改めて要請される場合もあります。)
  
ただ、後半2分のアギル・ナビエフ選手が負傷した時は、試合再開までかなり時間がかかりましたね。チームドクターのチェックを受ける時にはネビエフ選手自身は立ちあがっていたにも関わらず、チームドクターが、ピッチ内で処置を始めてしまいました。
 
このあたりは言葉の問題なのか、主審とチームドクターの間のコミュニケーション不足かなぁ、という感じでした。
 
(もしかすると、極力10人で戦う時間を短くしようとするアゼルバイジャンのチームドクターの作戦だったのかもしれません。ゲーム再開後、すぐにナビエフ選手は復帰しましたから。)
 
国際サッカー評議会の決定で、負傷した選手をフィールド外から退出させるかどうかの判断に関し、主審は責任を問われないことになっていますが、主審の責任問題にならないように、判断を完全にチームドクターに委ねたという感じにも見えました。
 
主審とチームドクターのそれぞれの思惑が入り乱れた結果、試合再開が遅れたということかもしれません。
 
2012/05/25(金) 21:59:56 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
いつも深い考察を参考にさせていただいています。

もうお気づきのことと思いますが、長谷部→本田へのパスの後はルーズボールではなく本田の完璧なリターンパスです。
それでももちろん、主審の判断に間違いはなかったと思います。
自分も経験ありますが、アドバンテージ適用後に得点が生まれると嬉しいものですよね。
その逆の場合は凹みますが…
2012/05/26(土) 00:40:01 | URL | 蹴鞠 #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
 
蹴鞠 さん、はじめまして&コメントありがとうございます。
 
リプレイ映像で見ると、最初からあの位置を狙ったのか、あるいはスライディングしてくる相手競技者との距離感からあの位置にしか出せなかったのか、という感じですが、自分が負傷しないように相手選手を避けながらの本田選手のボールコントロールはやはり「世界レベル」、といったところでしょうか。
 
でも、私を含む一般の人が見たら、絶妙なワンタッチパスというよりルーズボールに見えるかなぁ、ということであえて、パスが繋がったとは書かずに、ルーズボールという表現にしました。
 
松木さんもリプレイ映像中に、「本田の(長谷部選手への)ダイレクト(パス)」と解説してはいるのですが、どうしても本田選手の相手選手を避ける動作のほうが、印象に残ってしまうので・・・。
 
意図したパスであろうと、意図していないボールでも、最終的にファウルされたチームに有利な状況が継続しているなら、迷わず「プレーオン(アドバンテージ)の採用を」ということが伝われば良いなぁ、ということで。
 
 
#今日もU-15の試合で、5本ほどプレーオンをかけましたが、得点には結びつきませんでした。残念。
 
2012/05/26(土) 18:21:59 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
こんにちは。
いつも参考になるエントリーありがとうございまず。
ひとつ以前から気になっていることをコメントさせていただきます。
今回のエントリーにもありますが、選手交代時の遅延行為についてですが、競技規則の7条には「競技者の交代時に空費された時間は試合時間に追加する(主審の裁量)」となっています。
よって選手交代の時に時間を掛けて交代しても試合時間が消費されることにはならないし、逆に交代時にプレーの再開を遅らせたとして警告されるという不利益しかありません。
それなのにテレビで解説者等が試合終了間際に選手交代をして時間をつぶすべき的な事を言っているという事は、意外と勘違いしている人が多いのではと思いコメントしてみました。
テレビ等では選手交代に時間を掛けても意味の無い事と伝えてほしいと思いました。
2012/05/29(火) 13:52:13 | URL | kan #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
 
 
kan さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
 
基本的に、選手交代時は主審(ないしは4審?)が時計を止めているので、アディショナルタイムとして後ろに伸びるだけなのですが、あくまで主審の裁量なので、主審が加算しなければ儲けもの、という考えがわからなくはないです。
 
アディショナルタイム中を含む終了間際の選手交代は認められない、という規則もありませんので、交代枠が残っている以上、時間を使うための選手交代をするのも1つの戦術と言えるかも知れませんね。
  
主審が加算するかしないかが判らない以上、選手交代に時間をかけることが全く無意味とも言い切れないような気がします。そして審判はその選手交代が過度に試合を遅らせるものでない限り警告する訳にもいきませんし・・・。 
 
我々が指導しているアマチュアの試合ならそこまでする必要はないと思いますが、結果が全てのプロの世界ならそこまで考えるべきなのかも知れません。
 
ま、そんなつまらない戦術を得意気に解説する解説者を評価しませんけれど・・・。(解説者というより視聴者代表のようなコメントをされる解説者もおられますね。嫌いじゃないのですが、もうちょっとルール解説を入れたらどうよ、と突っ込みたくなります。)
  
素晴らしい解説をされる方もおられますし、そうでない解説者の方もおられます。解説者に文句を言ってもはじまりませんので、それはそれで楽しみましょう!
 
  
私自身は、審判時に時間を使うための選手交代だと感じられた時には、基本ランニングタイムの試合でも合計で55秒くらいのアディショナルタイムを追加してあげたりしますね。(59秒までは、アディショナルタイム0分ですから。)
 
内緒の話ですが・・・。
 
 
2012/05/29(火) 22:40:14 | URL | TOM3 #79D/WHSg [ 編集 ]
No title
アディショナルタイム 55秒は、0分! 深い話しですね。
参考になります。
2012/05/30(水) 00:31:19 | URL | SLコーチ見習い #79D/WHSg [ 編集 ]
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